Agucadoura〜 Marínalas 17.4km
この日の出発は朝7時。
うっすらと霧のかかった空がだんだん色づいてゆく。
しばらく海岸を歩いた後、畑の中の道を歩いた。東の空に太陽が昇り、人々は畑で働いている。
時々、ピックアップトラックなどが通りすぎてゆく。
道路には時々、十字架や聖人像などがあって、花や蝋燭などが供えられている。
これは、日本のお地蔵さんにすごく近い感じじゃないだろうか?
↑スイカがゴロゴロ。
↑カボチャもゴロゴロ。
畑の朝。太陽が昇る。夏の朝。
この日はいくつかの古い街、大きな街を通り過ぎた。
Faoという、川に面した街は、こじんまりしていて、なんだか白っぽくて、古いタイル貼りの建物や沢山並んでいて素敵だった。
ここから川を渡って、また海沿いに出ると、少し近代的な雰囲気に変わり
住宅は大きめで白い壁にオレンジ色の瓦屋根という、南欧らしい街になり、海岸には椰子の木が植えられていて、ジョギングする人が多く、南カリフォルニアのことを思い出した。
距離は17.4kmと短かったのに、コンクリートの道が多かったせいか、とても脚が疲れていた。
午後1時には、公営のアルベルゲに到着した。
汗びっしょりで、早くシャワーを浴びてさっぱりしたかった。
↑アルベルゲの入り口
2時から受付開始なのだけれど、すでにドアの前からずらりと人が並んでいて、私も列に並んだ。他の人たちも疲れている様子で、コンクリートの地べたに座り、靴を脱いで、足を放り出していた。
残念なことに、2時前から並んでいたにも関わらず、列の後ろの方の人たちは満員になってしまい、肩を落として出ていった。
夕方になって、疲れ果ててたどりついた人もここに泊まれず、また歩き出すのは見ていて気の毒だった。
さて、アルベルゲの二段ベッドの上で、シャワーを浴びた後、本を読んでいると、外から猫が入ってきた。声をかけるとベッドにジャンプして上がってこようとして困っている。
通りかかった人がひょいと猫を助けた。
アルベルゲの人は、通りかかってニコニコしたので、問題はなさそうだ。
猫は私の膝の上でゴロゴロいいながらくつろいでいる。猫を撫でているうちに私も眠くなって
そのまま昼寝。猫って人を眠くさせる催眠術を持っているのじゃないだろうか、、、。
猫とたっぷり眠った後、夕方、お腹が空いたのでスーパーに買い物に行った。
パンにチーズ、チョリソ、ポルトガルワイン、葡萄、パプリカ、チョコレートなどを買って合計7.36€。安い!
ワインが安くて、大体2〜3ユーロ(一本)くらい。
天気も良かったし、アルベルゲの隣が公園になっていて、そこにベンチがあるので
そこで夕ご飯を食べることにした。
ドイツ人のヴィッキーという若い女の子とワインを分け合って、お喋りしながら食べた。
彼女はカナダに留学経験があって、南アフリカの孤児院でボランティアをしていたことがあるらしく、まるでネイティブのような英語を話した。自立していて、さっぱりして明るくて、とても好感が持てた。
食事を終えて、キッチンの冷蔵庫に食材を入れに行くと、イタリア人のグループが食事をしていて、招いてくれたので、参加して一緒にワインを飲んだ。
イタリア人がそうして、わいわいと大勢で食べたり飲んだりするのは、とても楽しそうで、いい文化だなあと思う。
見たことのない風景。見たことのない街。初めて会う人たち。
食べたことのない味。飲んだことのない飲み物。新しい空気と匂い。そして、いつも外にいるせいか、いろんなことがビビッドに感じられた。
リスボンやポルトなどの観光地とはまた違う、田舎の道や海辺の道を歩きながら、私はすっかりポルトガルが大好きになってきていた。