ケンブリッジからそんなに離れていないサフォーク州の街、ベリー・セント・エドマンズに出かけてきた。
ここにあるアウトドアの店にウエストポーチを買いに行ったのだ。
ウエストポーチは、英語ではファニー・パックとも呼ばれているのだけれど、素晴らしく便利なものなのに、ダサいと嘲笑されているフシがある。
でも、バックパックからいちいち財布や携帯電話、あるいはパスポートなどを出さなくてすむウエストポーチは、最近バックパッカーの私にとって必需品。
もっと市民権を得て、おしゃれなデザインのものが沢山出てくればいいのにと思っているところだ。
さて、ベリー・セント・エドマンズの街に車で入って行くと、あるラウンドアバウトに不思議な像が立っている。
それは、まるでハリネズミのように矢を体全体に受けて立っている人の像。
これは、何なのだろうと思って調べてみたら、この街の名前のことなどの意味がわかった。
聖エドモンドが埋められた大聖堂があるので、ベリー・セント・エドマンズという土地の名前になったらしいのだけれど、じゃあ、セント・エドモンドって誰?ということになる。
彼はエドモンド殉教王と呼ばれる、この土地の王様だった人で813年に生まれて869年に亡くなったのだそうだ。
このイーストアングリアと呼ばれるイギリスの東の地域にバイキングが攻めてきて、戦いに敗れたエドモンド王は捕らえられてしまう。
木に縛りつけられ、拷問を受ける王は、とても信仰が深く、キリスト教を捨ててバイキングに追随することを拒み、雨霰と降り注ぐ弓矢に体中をハリネズミのようにされ、首を切られて殺されてしまったのだそうだ。
聖人を調べると、かなり壮絶な殉教をしている人が多くて、びっくりすることが多い。
ベリー・セント・エドマンズには大聖堂や古い城跡があり、グリーン・キングという有名なビールの会社もあるし、グルメな街としても知られているらしい。
今日は、久しぶりにパブメシな気分だったので、雰囲気のよさそうな一軒のパブに入ってみた。
頼んだのは、ステーキ&エールパイ。
久々の大ヒット!厚みのあるパイ生地をサクッと崩すと、中には熱々のトロトロの牛肉。
とろけそうに柔らかく煮えたお肉が最高に美味しくて、そのソースも絶妙。
一緒にお皿に乗ってきたグレイビーボートに、チップスを浸して食べると、そのグレイビーもほんのりしたいい苦味が少しあって美味しい。
ああ、イギリスのパイってやっぱり素晴らしいなあと、とても幸せな気持ちになった。
やっぱり、フィッシュアンドチップスも、ステーキパイも、パブメシはパブで食べるに限る。
もし、他の国に住むことになったら、これを再現すべくキッチンで料理本片手に奮闘するかもしれないけれど、ここに住んでいるうちは、パブで美味しいサクサクで熱々のパイを食べたい。
少ししたら、もうちょっと肌寒くなって、パブで過ごすのがホッとする季節になる。
その秋冬のパブ時間が、今から楽しみ〜。