ロンドン・スタンステッド空港から飛行機で1時間50分。
南フランスのビアリッツ空港へ降り立った。
とても小さなシンプルな空港で、外へ出るとがらんとしたバス乗り場が2つある。
そこからバスで30分ほどのバイヨンヌという街へ向かった。
4月にカミーノ・デ・サンティアゴという巡礼路を旅した時に出発地点へ向かうとき、大急ぎでこの街を通り過ぎた時から、改めて訪れたいと思っていたのだ。
その時にチラリと見かけた街は、しっとりと落ち着いた雰囲気のある古い街並みで大きな川にかかる橋から見た景色が心に残った。
バスで街中に入っていくと、いろんなところで道路が封鎖されていた。表示によると翌日から週末にかけて〜Fêtes de Bayonne~という「バイヨンヌ祭り」なるものが行われるらしかった。なんでもフランスでも一番大きなお祭りなのだとか、、、。全然知らなかった。
街はお祭り前のざわめきというか、興奮の前触れのようなものに満ちていて、露天が並び、ステージが設置され、着々と準備が進められてた。
私たちが泊まるホテルは、そんな街の中心にある古い建物の、間口の狭い、1階がカフェになっているところだった。
↓この左側の建物。
1600年代に建てられたというその建物は、床も壁も傾いでいて、狭い階段を上がる時には
船酔いのような、平衡感覚がおかしくなる感じがした。
↑部屋の窓からのり出して撮った写真。
4階建てくらいの建物が並ぶ路地は狭くて、まるで迷路のように街の中に四方八方に伸びていた。
街には、明日のお祭りのためなのか、いろんなところにバスクの旗が飾られていた。
お祭りには、人々は白い服の上下を着て、首に赤いスカーフを結部ことになっていて、靴やバッグや帽子に赤い色を使うので、ショーウインドーは赤と白だらけ。
お祭りの間は、この街は白い服に赤いスカーフの人々でぎっしり埋まるらしい。
川沿いのレストランは、どこも観光客で満員で、レストランの外のテーブルは大賑わいだった。
くすんだような白やクリーム色の建物に、少し色褪せた赤や緑色の鎧戸が並ぶのが、いい雰囲気。ユトリロの絵みたい。とか思っていると、、、私の相方は、そのくすんだ建物群を「高圧洗浄したい」と言い放った。さすが、アメリカ人。
私たちは、路地を歩きまわって、適当なレストランに入ってパスタを食べた。
メニューがフランス語で、全然わかならなかったけれど、かなり適当に見当をつけて注文してみた。チキンの胸肉に衣をつけて薄くカリカリに揚げたのが出てきた。そして相方はイカ墨のラビオリ、そして私はバジルとパルメザンチーズがたっぷりのフレッシュパスタを食べた。
そのあと、またブラブラして、他の店にはいり、デザートとワインを楽しんだ。
デザートはアイスクリームに、グラッパというお酒がザブザブかけてあって、ワインよりも、そのアイスクリームで酔っ払ってしまった。
少し酔って、見知らぬ古い街を歩くのは、いい気分だった。
暑かったので、窓を開け放して寝た。明け方まで、下の路地を歩く人の話し声などが聞こえていた。
翌朝は、ホテルの目の前のベーカリーが開いていたので、そこでクロワッサンとカフェオレ、ジュースを買って食べた。
特に美味しいというわけではなかったけれど、さすがフランス。オシャレだ。
パンの包み紙も、カワイイ。
フランス側のバスク地方は、街のポスターも、お土産屋さんの品物も、人々のファッションもカラフルで楽しく、食べ物も洗練されているように感じた。
バスクのことをもっと知りたいと思って計画した旅。
フランスとスペインにまたがり、海あり、山ありのバスク。なんだかいろんな面がありそうだ。
さあ、次の目的地はカンタブリア海の真珠と呼ばれ、美食の街として知られるドノスティア(バスク語)、サン・セバスティアンだ!