面白い写真集を見つけた。
タイトルは「BORING POSTCARDS」という。
その名の通り、なぜ、こんな写真をポストカードに?というような退屈なつまらない(Boring)ポストカードばかりを集めたもの。
写真の色合い、インテリア、車の様子から、このコレクションは1960年代から70年代にかけてのポストカードではないかと思われる。
Tea Garden とあるけれど、あまり魅力的ではないお茶のシーン。特に景色が美しいわけでもなく、テーブルはデスクみたいだし、居心地が良さそうな雰囲気でもない。
ある意味、とてもイギリス的。
このポストカードは、モーテルの部屋。蛍光灯の下の青いテーブルはフォーマイカだし、テレビの形やカーペットの柄、椅子の形に時代が感じられて、ついつい見入ってしまう。
スタンステッド空港、、、と駐車場。車の形に注目。
とある病院の食堂。この椅子とテーブルの色や形。私は個人的に好きだなあ。
シビックセンター。こういう大きな鉄筋コンクリートの建物が新しかった時代なんだろう。
高速道路のパーキングエリア。
これは、その中のバー?
ショッピングセンターも新しかった時代。
さらには、普通の住宅地のポストカードまで、、、。
私的にすごく好きなのはこれ。
こんなポストカードが沢山集められた本。
イギリスの道路、空港、近代建築、パワープラント、図書館、プール、食堂、キャンプ場などの写真のポストカードたち。一体、誰が作り、誰が買っていたのだろうか?
20年前ならば、なんて凡庸なというポストカードが、今、こうして見てみると妙にノスタルジックで、新鮮に目に映る。もちろん、ただ退屈なのもあるけれど。
こんなポストカードばかり収集した人は、変わり者だなあと思うけれど、この世界を面白がって出版しようと思ったというのが興味深い。
そして、実際私はこの本が大いに気に入って、しょっちゅう手に取ってページをめくっている。
ちなみに買ったのは、近所のチャリティショップ。
これから、私の収集の一つに、Boaring Postcards が加わることは間違いない。