「孔雀は何羽いたら多すぎると思う?」

突然、そんなことをサウナで隣に座っているカップルから尋ねられた。

「は?もう一度言ってもらえます?」

と、すっかり自分のゾーンに入って汗をダラダラかいていた私は聞き直した。

「孔雀、どれくらいいたら多すぎるってなると思う?」

よく、訳のわからない質問だけれど、孔雀は綺麗だけれど、うるさいので

「一羽、、、?孔雀って結構、鳴き声がすごいでしょう」と答えた。

 

そのカップルは、ニコニコ笑って「いや、それはオスが一羽だと相手を探し求めて鳴くからうるさいので、メスがいればそんなことないよ」

という。へえーっと相槌を打つと「うち、孔雀が繁殖しちゃって、孔雀の赤ちゃんて本当に可愛くて、どんどん増えちゃって、今17羽もいるんだ」と2人で、孔雀の美しさや可愛さを楽しそうに話す。

 

その2人は20代後半から30代前半の、ごく普通に見える健康的で感じのいいカップル。

 

孔雀がそんなにいるなんて、よほど広いところに住んでいるんですねというと、40エーカーの土地に住んでいるという。ケンブリッジは、結構土地が高いので、びっくりしてケンブリッジに?と聞くと中心地から30分ほどの郊外だそうだ。

それにしても、40エーカーって、東京ドーム3個半くらいの大きさ!!!

 

孔雀って、どこで手に入るものなんですか?

と興味をそそられて、尋ねてみた。

 

2人の話だと最初の一羽は迷い孔雀として、やってきたのだそうだ。

それを保護して、いろんなところに「迷い孔雀、保護しました」と載せてみたのだけれど

全く反応がなかったのだそう。

そのうち、メスを求めて大声で鳴き始めたので、ある動物団体に相談したら、少し前に生まれたメスの孔雀をくれるという人がいたので、もらったという。

そして、今では孔雀の大家族になっているらしいのだ。

 

あなたは何か動物飼ってる?動物好き?と聞かれた。

ここではフラットに暮らしているので、飼えないけれど、アメリカに犬と猫合わせて5匹のペットがいると話した。

そして、庭にヘッジホッグが住んでいる家に引っ越すのが夢だというと

僕たち、ピグミーヘッジホッグを飼ってるよ。という。

手に乗るくらいの大きさのヘッジホッグで、昼間は寝ているけれど、夜になると起きてきて、ソファでテレビを見ているところにきて一緒にくつろいだり、庭に散歩に行ったりするのだそうだ。

ヘッジホッグを検索すると、この手乗りのすごく可愛い顔をしたまんまるの動物の画像が出てきて私はあまりの可愛さに、ヘッジホッグカワイイ💕と悶絶していたので、羨ましくなって身を乗り出して話を聞いていた。

 

アメリカにいる私の友達も、動物好きな人が多くて、犬1匹、猫1匹、うさぎ二羽、鶏三羽とか数種類の動物を飼っている人も何人か知っている。

私も密かに、犬猫の他にも鶏とか山羊とか飼って、田舎に暮らすのもいいなあとたまに思う。

でも、そんなに動物がいると、簡単に旅行とかいけないのでは?

と聞くと、彼らは、安心して頼める人たちがいるから大丈夫なんだ。と

とても気楽な感じで答えた。

 

この明るく、魅力的で若い2人はすごく軽々といろんなことを受け入れて

それを楽しんで生きているのだなというのが伝わってきて、とてもいい感じだった。

 

それにしても、孔雀にしてもヘッジホッグにしても、イギリスならではの会話(それでも普通ではないけれど)だなあと、面白く思い、その後家族に話して、みんなで感心したのだった。