まるで、私が撮影する。或いはされるようなタイトルですが、対象は部屋で、撮影する人は不動産屋さん。

 

今住んでいるフラットの大家さんが、フラットを売りに出すことにしたので

そのために家の中の写真とビデオを撮りに不動産屋さんが来たわけです。

 

吹き抜けに面した大きな窓も、そこから見下ろせるメドウや川も、人通りの多い道も

川を行き来する舟の景色もとても好きなので、ここから引っ越さなければいけないのは残念、、、だけれど仕方がない、、、。

大家さんは、離婚するそうで、そのためにフラットを手放すことにしたそう。

 

家を売ることにしたと聞いた途端に、上の階からの配管の水漏れ。私たちのバスルームから、下の階への水漏れ。その他、いろんな家の問題も出てきて、どれも、簡単な問題ではなさそうなので、引っ越すタイミングは悪くはないかもしれない。

それにしても、2年経たないのに、ケンブリッジに来てから3度目の引っ越しとは。

 

さて、そんな理由から今日は朝から大掃除。

テーブルの上とか、キッチンのカウンターの上とか、バスルームの棚の上にあるものを全部どこかに片付けないと!(隠さないと、、、)ということで、生活感をなくすためにものを片付ける(隠す)という作業と、ガラスや鏡を磨き、埃を追放するということをせっせとした結果、、、。随分と家の中はスッキリ。

 

不動産屋さんは、コロナの影響で、随分と仕事の仕方が変わったようで、以前だったら写真を載せて、あとは部屋を案内していたところを、今はビデオで部屋の中を巡るツアーみたいなものを載せるようになったらしい。

なので、いろんな器具を持ち込んで、1時間以上も撮影!

 

私たちは、その間邪魔にならないよう、ビデオや写真に映らないように、隅っこから隅っこへ移動。そして、観察。いっそ、外に出かけてくれればいいのに。と、不動産屋さんは思っただろうことは間違いない、、、。

 

それにしても、家の中というものは、その人のパーソナリティがよく表れるところだなあと思う。家具の趣味にしても、本棚にある本にしても、その人がどんな人なのか、わかってしまう。

私自身、新しい家や部屋を見に行って、まだ人が住んでいる場所に案内されると、まるで

自分がシャーロックホームズになったような気持ちがする。

 

何歳くらいの子供がいるとか。趣味は自転車で、夫婦ともにアクティブにスポーツをする人たちか。とか、ベジタリアンで、アジアの料理に興味がある。とか、時には仕事さへ、わかってしまう。

私たちの住んでいるフラットのビデオや写真を見ても、きっといろんな情報が溢れているだろうなあと想像できる。どんなに個人的なものを隠したとしても。

見る人が見れば、いろんなことがわかるだろう。

 

そんなことを思いながら、不動産屋さんが、とてもエレガントに動きながら、この家のいいところ。素晴らしい景色。や、気持ちのいい吹き抜けのスペースなどを撮影しているのを、観察していた。

 

撮影も後半ごろ、夫が郵便物を持って帰宅。

 

アメリカのメリーランドに住んでいる友人からの小包に幸せでいっぱいになった。

 

 

お菓子やスポーツシャツにソックス。日本のお菓子。お料理の本など、、、。

 

彼女は、とても料理上手、もてなし上手な人で、インテリアのセンスなんかも素敵で、おうちに招かれると、本当にうっとりした時間を過ごさせてくれる人。

 

送ってくれたものに、彼女の思いやりとか優しさがすごく詰まっている気がする。

私がメキシカンが好きなこととか、キャンプが好きなこととか、運動好きなこととか、そういうことを思って選んでくれたんだなあ。と一つ一つが嬉しい。

 

キャンプ好きな私たちには、すごく気分が盛り上がるアウトドアのクッキングブック。

アメリカのアウトドアの写真が、アメリカでのキャンプを思い出させてくれて、たまらない。

 

 

手紙には4月にコロナにかかって、いまだに嗅覚が戻っていないと書いてあった。

料理も、食べることも情熱的に好きな人なので、嗅覚のない世界はきっとものすごく物足りないだろうなあと思う。

 

イギリスに来る前に、ワシントンDCにちょっといたのだけれど、彼女とはその時に10年ぶりくらいに再会した。ホワイトハウスの近くで待ち合わせした。

家で焼いたパンで、数種類のサンドイッチを作って来てくれて、私たちはスミソニアンの植物園を歩いた後にピクニックをした。パンから手作りのサンドイッチの味にも、わざわざ会いに来てくれたことも、しみじみ嬉しかった。

サンディエゴにはいない蝉がミンミンないて、汗ばんで、緑が濃くて、日本で知り合った古い友達と、その友達が驚くほどに大きくなった息子とみんなで、サンドイッチを食べた。

 

彼女がSNSをしないこともあって、私たちのコミュニケーションは、なんと!手紙だ。

手紙や時々、個包で私たちは悠長にたまに連絡を取り合うのだけれど、そんなやりとりが私は結構いいなと思っている。

 

数日前、私も彼女のことを思って、カードを買ったばかり。

手紙を書いて、多分、ちょっと書き直したりもして、エアメールで送って、届くのは少し先だろう。

一瞬にして、送れるメッセンジャーやメールではないから時間がかかる。

手紙には、ちょっとイラストとかも描いてみよう。

 

消しやすいし、好きな緩さなので、鉛筆で手紙を書こう。

 

そんな手紙をやりとりできる友達がいるって、なんか、ありがたい。