英国の子供と犬は、とびきり可愛い!
言っておくが、とりたてて、私は特に子供好きでも犬好きでもない。
でも、この国の子供は妖精のように可愛い。
そして犬たちは、飼い主のことを心から慕い、とてもマナーが良く、個性があって、とても幸せそうにみえる。
子供も犬も、公共の場で、きちんと大人しくしていることが出来て、なおかつ、とてもノビノビとしているのが、とても良いかんじだ。
散歩に出ると、近所の野原で、母親と子供、あるいは父親と子供というのに出会う。
大人は鷹揚に、子供の世界につきあっている。野の花を摘んだり、大きい牛に見惚れたり、ミミズをつついたり、ピクニック中に訪ねてくる白鳥や鴨と食べ物を分け合ったり。
暖かな初夏の日差しと、新緑の木陰、動物や虫。世の中はとても面白くて、とても綺麗で
それをのんびりと楽しむことが出来るのは、とても素敵だ。
ブランコや遊具のある公園は今、閉まっているけれど、代わりに虫や花やカエルを発見する遊びはきっと面白いだろう。
イギリス人が、穏やかで、思いやりがあって、ユーモアに溢れていて、気品があるのは、こんな子供時代の過ごし方にあるのではないだろうかと私は思う。
新緑の木漏れ陽の下、穏やかな景色を眺め、子供や犬がのびのびと過ごしているのを見てなんだか、懐かしいようなきもちになるのは何故なのだろうと、ふと思った。
答えはすぐに出た。子供時代に沢山読んだ児童文学とテレビのせいなのだ。宮崎駿。高畑勲のアニメーションを見て育ったことは、とても大きい。
マザーグースに始まり、ヨーロッパの児童文学は、どんなに私たちの子供時代に空想を与えてくれただろう。
私の一番のお気に入りは「秘密の花園」だった。
スウェーデンの作家、リンドグレーンの、ロッタちゃんのシリーズ。やかまし村の子供たち。長つくしたのピッピも大好きだった。
ここでみる子供たちは、そんな児童文学に出てくる子供たちみたいだ。
そして、そのお母さんやお父さんも、その作品に出てくる優しい大人たち。
大人なのに、みんな、ちょっと、悪戯っぽいところがあって、、、。
子供と一緒に地面に一緒に蹲って、虫を見たり、鳥やウサギと友達になったり、クモの巣に水がついてびっくりするほど繊細な美しさにため息をついたり、、、。
食べられる野草を摘んだり、なんだかちょっと、前よりも地面と、自然と近くなったような生活を知る機会を私たちは与えられている。
このスローな時間の過ごし方の愛おしさを噛みしめているのは、私だけじゃないはずだと思う。