英国の春と夏が、とても美しいというのは、聞いていた。
4月の終わりに一月半帰っていたサンディエゴから戻ってきて、私は初めて英国の春というものを見た。
朝、窓を開けると、高原の牧場のような匂いがした。
なんか、軽井沢にいるみたいと思った。
こちらに戻って、私が口にしたかったのは、イギリスパンのトーストとミルクティーだった。そんな朝ごはんをとって、夫と私は散歩に出かけた。
ほどなく、牛の群れに出会った。
春の放牧が始まったのだろう。みんな、でっぷりと大きくて、ゆったりとしている。多分、食肉用の牛たちなのだろう。
牛の糞をふんじゃったりしながら、ケム川にそって歩いていくと黄色い小さな花がたくさん咲いている。バターカップだ。
さらに進むと腰のあたりまでのびた草と白い花が風にそよいでいる。
これは、チャービル。
白いレースのような小花を沢山つけて、風にそよいでいる。
もっと歩くと小さな村に行き着いた。
家の前に咲く、ライラックや小手毬が、とても英国の家に合っていて、嬉しそうに咲き誇っている。
さらに、フットパスを歩いて行くとリンゴの花が咲いていたり、まるでビンテージの葉書のような勿忘草をみつけたり、英国の春の美しさに浸った散歩でした。