怖かった。
痛かった。
憎らしかった。
悲しかった。
そして、
心細かった。

物心ついたころから
殴られていた。
お母ちゃんは、その反面
なめる程(本当に)
私を可愛がってくれた。
どちらもよく覚えている。
が、やっぱり、嫌な記憶のほうが
より鮮明だ。

躾なんて、とんでもない。
ただ、ただ、癇癪を起こすのだ。
怒りが私にむかってくるのだ。
殴るだけでなく、
言葉での虐待も
心に焼き付いている。

お前なんか、どこでも行っちゃへ。
死んでしまえ。
本当は私の子でなく、
橋の下で見つけた子なのだ。
だからだろう。
4、5歳になった、
私はよく近くに流れていた川へと
泣きながら、逃げ出した。
時には裸足で。

お母ちゃん、
人前では、怒らないが。
人がいなくなると、
スコーンと頭を殴られた。
また、口答えすると、
両のほっぺを思いっきり
つねられた。
泣き続けると、
「泣くなら、もっと殴るよ。」
と泣いている私に耐えられなく
脅すお母ちゃん。
で、泣くのを止めようと、
するのだが、止まらない私。
ひゃっくりのような、泣き方。
そうすると、また、ビンタが飛んでくる。

一番過酷なお仕置き。
押し入れに閉じ込められた事。
真っ暗だ。
何時間も出られない。
怖くて、怖くて。

今でも、暗黒は大嫌い。
50をとうに過ぎても
寝室は真っ暗にできない。