
もう10年以上も昔。ノルウエー西部の山間部(といってもこの国、ほとんど山間部)。有名な景勝地に位置するホテルで一夏働いた。理由は単純。好きになった男性を追いかけた先がノルウエーだったのだ。そこの雄大な自然に興味を持った。実際に住んで、彼の国について知りたかった。たまたま前述のホテルが英語を話す日本人の従業員を募集していた。その周辺ホテルは、これ1軒だけ。周囲は数件の家の屋根がポツンポツンとみえるくらいで、後は、自然だけ。山、谷、草原、沢山の樹々、湖、川、空、雲、牛、羊、ヤギ。仕事のシフトにあわせて、朝に晩に周辺を目的もなく歩いた。夜と言っても、午後11時、白夜のシーズン、外はまだ明るい。仕事はしていたが、私にとっては外国の地。一人旅の旅行者の感覚だ。個室寮、長い一人の時間。音楽を聴き、本を読み、風景、草花のスケッチなど、物思いにふけった。孤独を楽しんだ。