心の詩 -32ページ目
待ち合わせの朝
君に逢うのが楽しみで
早く来すぎちゃった僕
君を想いながら
こうして待つ時間は愛しい時間
き~んと冷えたこの空気が
僕の火照った心を静かに優しく包んでくれる
遙か遠い
あの道の向こう
小走りに君がやって来る
走らなくて良いのに・・
転んじゃうよ・・と
ちょっとハラハラとドキドキ
弾む心
こんなにも誰かを愛しいと思えるなんて
君は息を弾ませて
「遅れちゃった・・」ってはにかむように小さく笑う
そんな君が愛しくってとっても大切で
本当はその手を引いて抱きしめたいけど
照れ屋の僕は出来なくって
やっとの思いで
君の手を引き
僕のポケットに入れたよ
君の手が
頬の紅潮とは違って
冷たくって
もっともっと愛しくなる
ポケットの中でしっかり繋がれた二人の手
やがて二人の気持ちみたいに
温かくなる
そんな
朝の何気ない
でも大切で愛しい時間
あの日・・
夕暮れが迫ってソラが茜色に染まる頃
二人の心が「きゅん」って音を立てるみたいに
寂しくなって・・切なくなったね・・
君の瞳が
真っ直ぐ僕を見つめたんだ・・
君の瞳は物言わぬ心のささやき
「帰りたくないの・・」と君の瞳がささやく・・
僕はただ黙って君を抱き寄せる
君の肩が背中が小さく揺れる
ただ・・ただ愛しくて・・愛しくて・・
大切で・・
そう想う心は
いけない事ですか?
君の瞳は静かに濡れて
ぽろりと落ちた涙は
まるで星空のこんぺいとう
甘くてしょっぱいよ
この手を離してしまえば
また二人別々の道
ただ、あと少し・・今少し
一緒に居たくって
思いついた言葉を並べてみる
「今度いつ逢える?」って聴かない君が
ただ愛しくて・・
このまま時が止まってしまえばいい
この感情をそっとそっと
君ごと抱きしめて・・
さよならの瞬間はいつも
寂しすぎて慣れそうにないや
あと少し
あと少しだけ
君を見つめていたい冬の夕暮れ時
「ねぇ・・」
「ねぇ・・私のこと・・好き?」
そんな問いかけに
決して答えなかったあの日の貴方
解っていた
きっと
解っていたの
向けられた背中
貴方の寝息を聴きながら
何度も涙が零れた
そっと気づかれないように
何度も涙をぬぐった
醒めていく感情をごまかすように
貴方の背中を抱きしめた
報われない想い
心の距離を感じながらも
それでも逢いたかったのはなぜ??
逢えなくなってから
逢わなくなってから
もう随分時間は過ぎて
時々貴方の声も忘れてしまいそう
鳴らない電話を待つ事も
メールが来ない事も
もうとっくに慣れてしまった
それでも
さよならの向こう岸に
時折貴方の姿が霞んで見えて
寂しくなる

