君と過ごした日々は

足早に過ぎて

季節は巡り

その残像だけを置き去りにした。

君と出逢ったあの春は

桜色のほのかな色と香りに時を染めて
沈丁花の甘い香りと共に小さなときめきを心に連れて来た。

穏やかに・・優しく・・



夏の青い空

ぽかりと浮かぶ雲

追いかけて

君と並んでいつまでも見つめてた。

時は流れて空は夕焼けに変わり

夏の匂いがいっぱいに広がった

清々しくも切ない時


秋の散歩道

木々が茜色に色づいて
優しい金木犀の香りに満ちていた

カサコソと鳴る落ち葉の音

「寒くなってきたね。。」と君が振り向いて微笑んだ

さよならが寂しくって何度も手を振った夕暮れ時


冬の朝

早起きして君を待つ時間が好きだった。

朝の君とのコーヒータイム

両手でカップを包むように持って

ほんのり頬を染めて静かに笑う君が本当に好きだった。


季節ごとの君との想い出が

心の中に浮かんでは消えて・・

またふっと浮かんで


もう直ぐ君と出逢った春がまたやって来て
懐かしさで心がいっぱいになるのに
君は隣には居なくって

静かな想い出だけ辿って
心をそっとなぞってみる。

そしてポツリと・・

「君は今どうしていますか?」と

空を見上げて呟いてみた。

優しかった季節を辿りながら・・


心の詩