アーユルヴェーダとは

 

アーユルヴェーダは世界最古といわれるインド発祥の伝承医学です。こころとからだの結びつきを大切にし、健康増進、長寿、老化防止、人格の形成までも考える。生命の全体性をみる医学であり、学問です。そこには、私たちが病気にならない健康なこころとからだに導く生活習慣や食事法、瞑想法などの具体的な知恵がたくさんつまっているのです。

 

 

アーユルヴェーダの食事

 

アーユルヴェーダでは私たちの「生きる力」のあらゆる寿命や幸福、顔の色艶、創造力、知力、体力といったものは食事で決まるといわれています。生命にとってかけがえのない食事はとても大事、ということです。

 

7つの選び方

まず、「何を選んで食べるか」です。アーユルヴェーダでは、食事は消化の観点からみます。つまり、どんなに栄養があるといわれている食材でも、消化がきちんとされて、エネルギーにならなければ意味がありません。消化がきちんとされずにからだに残った未消化物は、毒素としてからだに溜まります。毒素は、病気などの不調にをまねくきっかけになります。

  1. 新鮮な食材をつかおう。(加工食品や冷凍食品は避けた方がいいでしょう)
  2. できたての温かい食事をしよう。
  3. 昼食をメインにしよう。(昼10~14時は消化力が高い時間帯です。腹八分目の適量をしっかり食べましょう)
  4. 旬の食材、その土地でとれた食材をなるべくつかおう。(地産地消がからだに合い、新鮮な食材を使うという点でもよいといわれています)
  5. 6つの味(甘、辛、酸、塩、苦、渋)を取ろう。(満足感を得ることができ、からだのバランスが整います)
  6. 生のもの、冷たいものはとり過ぎないようにしよう。(消化に負担がかかり、毒素になりやすいためです)
  7. 油を適度につかおう。(まったく油分がないものは、逆に消化に負担がかかります)

 

5つの食べ方

「何を食べるか」とおなじくらい大切なのが、「どのように食べるか」です。アーユルヴェーダでは、食べたものはからだをつくりだけでなく、こころにも影響すると考えます。こころもからだも整ってはじめて健康といえるからです。

  1. よろこびのこころをもって食べよう。(こころの満足は、からだの満足につながります)
  2. 落ち着いた環境で、すわって食べよう。(20~30分かけて食べるのが理想です。早食いや、ながら食べは消化しにくくなます)
  3. 白湯を飲みながら食べよう。(消化力がアップします。冷たい飲みものは避けましょう)
  4. 食事は規則正しい時間にしよう。(不規則な食事は、消化に負担がかかります)
  5. 前の食事が完全に消化されてから次の食事をたべよう。(胃に未消化物が残った段階で、あらたに食べものが入ってくると消化力が弱まります。3~4時間空けるとよいでしょう)

野菜の選び方・扱い方

全般的に消化のよい野菜は、積極的にとってほしい食材です。

 

野菜選び4つのポイント

  1. 旬のもの・・・旬のその土地でとれた食べものを食べる事がからだによいとされています。日本人なら日本の土地に昔からある野菜がよいでしよう。旬のものがよいのは、自然サイクルにかなったものを食べることができるからです。とりたての野菜が手に入ればもっともよく、生命エネルギーを高めてくれます。
  2. 有機・無農薬野菜・・・新鮮な野菜は生命エネルギーがあふれています。野菜本来の生命力があるものが望ましてので、有機栽培野菜を選ぶようにしましよう。農薬や採取してから時間がたった野菜は、体内で生命エネルギーにらりにくいうえ、毒素に鳴ってしまうこともあのます。
  3. 火をとおす・・・アーユルヴェーダでは、食べものはなまで食べず、火をとおすことが基本です。これは生で食べる野菜であっても同様です。生食は消化に負担がかかりやすいためと考えられています。どうしても生で食べるときは、油をつかったドレッシングをかけるなどして、消化を促いようにしましよう。
  4. 葉野菜 > 根野菜・・・アーユルヴェーダは消化の観点から食事をみるので、葉野菜の方が根菜より消化しやすく負担すくないとすわれています。しかし、消化力のあるお昼に食べるのは、厳密にし過ぎなくてもよいのです。重い質の野菜(いも類、粘り気の多いレンコンなど)は薄くスライスしてよく火をとおすなど、工夫するようにしましょう。

 

具体的な積極的にとりたい野菜

 

★★★(どんな体質の人にもおすすめ)

アスパラガス、カボチャ、ズッキーニ、小松菜、おくら(ゆでないで、炒めものがよい)

かぶ、若くてやわらかい大根も、冬瓜、白菜、水菜、生姜、チンゲン菜、レタス

 

★★(胃腸が疲れているときはひかえましょう)

トマト、玉ねぎ、にんにく、ニガウリ、ほうれん草、ブロッコリー、キュウリ、シソ、きぬさや、赤かぶ・レンコン・里芋、ピーマン、茄子

 

×気を付けたい野菜

きのこ、ジャガイモ(アーユルヴェーダでは食べ過ぎるとイライラするなど、神経系統に影響するといわれています)

 

 

スパイスのこと

 

スパイスは芳醇なかおりで料理の幅を広げてくれるのはもちろん、こころとからだの調子を整えてくれるお薬のような役目があります。

 

  1. ジンジャーパウダー・・・消化をたかめます。生のものより刺激が強いので、消化器官が優れないときは控えめに
  2. コリアンダー・・・消化力を整えます。火照りなど、からだの余分な熱をとる働きも
  3. ターメリック・・・消化力を高め、浄化、殺菌の効果も、クルクミンという物質には血液をサラサラにする働きも
  4. クミン・・・消化力を高めるうえ、お腹の張り、胃痛、吐き気、下痢など改善する働き
  5. カルダモン・・・からだを温め、消化力を整えます。
  6. 白胡椒・・・黒コショウより刺激が少なく、味もマイルドです。
  7. 黒胡椒・・・黒コショウの粉末は体内のあらゆる管をお掃除する解毒の働きがあります。刺激が強いのでとり過ぎには注意