■埼玉県動物指導センター見学
7月6日の千葉県動物愛護センター見学に引き続き、本日は、埼玉県動物指導センターの見学へ。
参加者は、私とスタッフ9名の総勢10名。
自分たちの住んでいる地域の収容動物の現状を知ることは、とても大切なこと。
当会には埼玉在住の登録スタッフが現在19名。うち6名が本日参加。
埼玉県動物指導センターへは事前に見学申込をしていたので、当日、担当職員の方が資料をご準備の上、センターの組織や担当区域、施設概要、動物愛護普及啓発業務、動物の正しい飼い方普及啓発業務(収容業務含む)、アニマルセラピーボランティア提携業務等について、順を追ってご説明していただいた。
センター業務の中で特にアニマルセラピーボランティア提携業務では、50数名の登録ボランティアスタッフがあるとのことで、社会福祉施設などへの動物介在活動が平成18年度実績では35回。施設からの希望も多く、人も犬も足りない状況だとのこと。
譲渡事業は、在県者への一般譲渡が、平成18年度実績では犬194頭(成犬36頭・子犬158頭)・猫43頭(成猫6頭・子猫37頭)。子犬・子猫は、収容犬猫から譲渡に適している(月齢・健康状態・性格等)子をセンターで管理し、特に子犬は最低でも1ヶ月くらい様子を見てから一般譲渡するとのこと。センターで管理できる頭数の制限もあるので、子犬が足りない状況で、子犬の譲渡希望者は3ヶ月待ちだそうだ。
子犬の処分数は、平成18年度が660頭、子猫が3400頭余という数字が出ているので、決して、子犬・子猫の収容数が少ないわけではないが、乳飲み子であったり、状態が良くなかったりして、すべての子にチャンスがあるわけではない。
特に猫は、譲渡希望者が少ないとのこと、また犬は年々処分数が減っているが(それでも年間3300頭ほど)、猫は横ばいで、年間4500頭前後の処分があるとのことだった。
詳細はセンターのHPで → ●埼玉県動物指導センター
センター業務の説明後、施設の案内をしていただいた。
譲渡待ちの子犬たち、センターのふれあい教室や介在活動で活躍する犬猫たち。
生を約束されている子たちの顔は明るい。
●譲渡待ちの子犬たち
●センターでお世話されているウサギ
●ふれあい犬猫たち
その後、処分施設の見学。
この日は午前中に処分が終わっていたため、目にしたのは収容中の熊谷保健所管轄の犬たちだけで、他に犬はいなかった。ガランとした大きな犬舎だけ。側面が処分施設に繋がっている。
あまりにキレイな状態だったので現実味がなかったが、きっと朝には、たくさんの犬たちがここにいたのだろう。
(写真撮影は不可だったので、写真はありません)
埼玉県動物指導センターには、収容犬猫舎というような、一定期間、収容犬猫を保管しておく施設はない。
各地域で収容された犬は、その地域の管轄の保健所に収容され、最低3日間の公示期間があり、飼主が見つからなければ埼玉県動物指導センターに移送される。移送=致死処分ということになる。処分は、毎週、水・金とのことだったので、移送されて0~2日で処分されることになるのだろう。
県内の13の保健所で犬の収容・捕獲業務が行われているとのことで、飼主不明の子犬・子猫なども収容される。
飼主自身が処分持込する場合は、直接、指導センターが受付窓口となる。
さいたま市・川越市は独立行政なので、それぞれの市において収容業務を行っているので、県動物指導センターが扱う犬猫は、さいたま市・川越市以外の市町村となる。
収容動物の団体譲渡を行っており、既にいくつかの団体が登録し、引取りをしている。
詳細はまだヒアリングしていないが譲渡事業は行われていない様子。
東京都や千葉県のように、再譲渡を目的とした個人・団体ボランティアへの譲渡事業が現状はまだ確立されていないので、収容犬猫たちの命が繋げられるチャンスは本当に少ない。
最低3日間の公示期間では、もし迷子犬だったとしても飼主が探し出せるだけの時間には足りないだろうし、インターネット等で収容動物の情報や写真が公開されていないので、どういう子たちが収容されているのか、各保健所1件1件に問合せをしないとわからない。
ずっと訴え続けられている公示期間の延長、そして情報開示の整備、色々な課題がある。
センター業務は、年々、事業所の統廃合が進み、どこのセンターも人手不足・予算不足だとおしゃっていた。
収容動物舎が必要であれば施設を作る予算が必要になるし、収容動物情報の公開には、写真撮影をしデータ加工し、インターネット上に公開するのであればWeb作成もしなければいけない。
収容期間を一定期間取るのあれば、お世話をする人員も必要となる。
譲渡事業を広く進めるのであれば、それに対応する人員も必要となる。
国から譲渡を推進するようにお達しがあったが、実現に至るには数々のハードルがある。
私たちに出来ること・・・。
自分の住む地域のセンター・保健所の現状をよく知ること。
そして、変えていきたいと思うこと、必要と思うことは、地域に住む方々が行政に声を届けること。
昔は不可能だと思われたことも、たくさんの声が届いて、年々、少しずつでも前進している。
あきらめないで、一歩ずつでも。
人にも動物にも優しい社会になりますように。
埼玉県動物指導センターの皆様、お忙しい中、お時間を作っていただき、本当にありがとうございました。
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当会スタッフの西園寺さんのブログ
に、国会議員の茨城県のセンター視察、そしてドイツの保護施設について紹介されていますので、こちらも是非、ご覧ください。
目を覆いたくなる写真もありますが、これが毎日、全国で繰り返されている現状なのです。
※7月17日、18日の記事です。
書きたいことがたくさんありすぎて、まとまった文章にならずに申し訳ありません。
西園寺さんのブログに書かれていたように「保護動物を迎えるのは人として当然の行為」。
そうなるように、これからも私たちに出来ることを続けていきます。