センター本所で収容期限を迎えた犬たち
 2月21日(火)収容期限で飼い主が見つからず、オファーも入らなかった犬3匹。
  ・チワワ♀高齢犬と思われる、ゲージの中で唸っている
  ・中型MIX♂高齢犬
  ・四国犬♂ホルモンの異常か乳房が垂れている
 当会では、現状、条件が厳しくても引取りが出来るのは小型犬しかいない。
 チワワ♀を引取ることに。
 中型MIX♂と四国犬♂は処分に送られた。
 ●チワワ・ロングコート♀ ※高齢犬と思われる
  2.21期限のチワワ♀  ←収容動物情報の写真
 最近、どこかのHPで目にした記事に、東京23区内のセンター収容は、ブランド犬ばかりと書かれていた。
 安易にペットショップで子犬を飼って、飼いきれずに安易に捨てる飼い主。
 繁殖に使って、用済みになったらセンターに持込むブリーダー。
 そういった身勝手な人間への批判とともに、ボランティアがレスキューするのもブランド犬ばかりと書かれていたように記憶している。
 確かに東京都のセンターからボランティア団体等に引取られる犬は、ブランド犬と言われる小型の純血種が多い。
 地方と違って、収容犬の割合は、MIX犬と純血種の割合は、半々くらいだろう。
 そして、小型に限っていえば、東京都のセンターでは、純血種のほとんどが引取られている。
 当会の引取犬も昨年度の実績から言えば、雑種と呼ばれる中型MIX犬はわずか2匹、他100匹は、純血種か純血種のMIX犬である。100匹のうち、大型犬2匹(秋田犬)、中型犬クラス10匹(コーギーやビーグル)、他88匹は小型犬ばかり。
 里親募集ページを見た人は、純血種ばかりの引取りをしているのかと思われるだろう。
 私達、センターからの引取に関わるものにとって、雑種でも純血種でも、同じ犬、同じ命に変わりはない。
 しかし都会という環境の中、一時預り先も里親さんも、どうしても小型犬サイズがメインになってしまう。
 中型犬・大型犬でも、室内飼いを条件にしているので、飼養環境的にも、東京近郊で新しい飼い主さんを見つけることは、容易なことではない。その中で、1匹でも命を繋げたい・・・という気持ちの上で、どうしても小型犬しか引取れないという実情がある。
 会社に例えるなら、企業努力が足りないと言われそうだが、まだまだ中型犬以上の犬を室内飼いするご家庭は少なく、十分に室内で生活できる性格・大きさであっても、大きな犬を室内で飼う習慣が無かった日本(玄関先で番犬として短い鎖で繋いで飼っていた日本)では、急に考えを変えることは難しいことなのだろうと思う。
 
 ブランド犬なら早くに里親さんが見つかるのかと言えば、・・・・なかなか、そうでは無い。
 当会の引取る犬たちは、どこからもオファーの無かった犬ばかりなので、必然的に年齢・健康状態等、諸条件が悪い犬が多い。引き出してから、健康管理・医療受診に大きなお金がかかる。預りママさんたちに、いらぬ気苦労とご負担をかけ、里親さんにもそれを引き継いでいただくことになってしまう。ぴかぴかのブランド犬など、1頭もいない。
 虐待や躾の失敗で、お口が出てしまう子もいる。安易に送り出すことが出来ず、また、里親希望さんもなかなか現れないので、保護期間も長くなる。
 
 MIX犬たちの素晴らしさ、賢さ、そして健康な子が多いことは、皆、よくわかっている。
 それを一番に理解して、精力的にセンターからMIX犬を引取っていてくださる団体もある。
 すべての子をレスキュー出来るなら、日々の苦悩は生じないが、今は、自分たちの手の届くところしか、命を繋げないのが現状。決して、ボランティアまでブランド犬志向ではないことは、どうかわかって欲しい。
 憎むべきは飼育放棄した飼い主、安易にブリートしてモノのように犬を捨てていくブリーダーたちである。
 良い飼い主、賢明な飼い主が増えることを願っている。