先日の世界仰天ニュースでペットからの感染症を放映していました。特に気になったのは「ネコを愛しすぎて菌に感染」っていうの。内容的には、愛しすぎてというより無知すぎるー!だったんですけどね。
ま、なにはともあれ、身近に猫がいる人は猫に噛まれたらどうするか、知っておいた方が良い。むしろ、絶対知っておくべき対処法について記事にしました。
猫の甘噛みと本気噛みはおおいに異なることを知るべし!
ネット上でも最近「うちの子が噛み猫で困ってます」なんて目にすることが間々あります。我が愛猫のひとつもまさにそれなんだけど、彼らの場合は噛むという行為の問題はさておき、ほとんどは「加減を超えた甘噛み」です。
たまに血は出ることはありますけど・・・痛いのはたしかなんですけどね!

もちろん、噛むという行動自体止めさせることができるならそうした方が良いに決まってます。ただ、そういうときの猫って、本気で相手にダメージを負わせようと思ってないと思うんですよ。
パターンとしては、カプッとひと噛みしてすぐ放すのと、がじっと咥えてギリギリ締め付ける・・・というのがあります。
どっちも皮膚に牙で圧された跡は付くけど、猫が本気で皮膚を食い破ろうとしていないのは明白です。たまーに、「あ、やりすぎた」ってこともありますけどね。
こういうのとは別に、猫が本気で噛んだとき、いわゆる本気噛み・・・マジ噛みはほんっとに大変なことになります。
猫はどんな時に本気噛みをするか
実は、つい最近猫にマジ噛みされました。一瞬の出来事だったし、噛まれた箇所は見えなかったけど、感触で あ、牙が刺さったな ってわかりました。
脳内で ブチッって音が・・・錯覚かもしれないけど。
とにかく、やられたなと瞬時にわかったわけです。場所は指先(中指の第一関節あたり)だったのですが、目をやった時にはボタボターッと血がこぼれ落ちてました(ヒェェェ~)
で、猫ってどんなときにここまで本気噛みをするのか?実際に私のまわりで起きたことを踏まえて検証したいと思います。
こんなときに噛まれた!
- キャリーに入れようと追いつめた
- 動物病院の診察台に乗せようとした
- シッポを踏んでしまった
- 脱走した猫を外で捕まえようとした
- 何もしていないのに噛まれた
今回私が噛まれたのは動物病院の診察台に乗せたときです。保護猫だけど、ブリーダーからのレスキューで、本来凶暴性のある子ではないのですが。油断しちゃったなーと猛省しました。
ま、結論として猫がマジ噛みする時って身の危険を感じたときです。当たり前ですよね~。そういう時はパニックになっているので、飼い主だろうと必死の抵抗でガブッと思い切りやっちゃう。

問題は最後の何もしていないのに噛まれた、というもの。穴が開くほど力一杯!今はもう天に召されましたが、実家のオス猫は凶暴な子で本気噛みで家族ふたりが病院送りという目に遭いました。
私も、実家に行ったとき後ろから思いっきり爪を立てられたことがあります。流血しました・・・。こういう子は滅多にいないと思うけど、現在の我が愛猫は力加減を間違えたら同じ穴の狢なんでちょっと恐いです。流血しない程度に加減してくれるから良い子、なんて言っている私は、友人から猫バカのお墨付きをいただいております!
まぁ、うちのオレ様猫のことは置いといて、猫に噛まれる被害として激怒症候群という疾患は覚えておいて欲しいと思います。
猫が急に攻撃的に!激怒症候群とは?
猫がなんの前触れもなく、突然凶暴になって襲い掛かってくる攻撃行動を激怒症候群といいます。病院では突発性攻撃行動ともいいます。
これは、回避するのが難しいし、治療が必要なこともあるので、専門家に相談することをおすすめします。詳しくは別記事で書いているので参考にしてください。
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猫に噛まれた時に気をつけたい感染症とは?
猫に噛まれたら患部は腫れます!100%と言っても過言ではないと断言します!当然傷の深さによってダメージは違うけど、本気噛みの場合は深くまで牙が刺さっているので深刻なのです。
さらに猫の牙は細いので、傷口が割りと早く塞がってしまう。これがやっかいとも言えるのです。菌が排出されずに皮膚の奥の方でどんどん・・・。
猫に限らず動物の口の中はばい菌がうようよしてます。黄色ブドウ球菌や嫌気性菌が原因菌となって感染症を起こします。
皮膚とその下にある脂肪組織が炎症を起こすと、患部は赤く腫れあがり痛みも伴います。この状態を蜂窩織炎(ほうかしきえん)と言いますが、放っておくと悪化して、壊死性蜂窩織炎や壊死性筋膜炎を起こしてしまう危険性もあります。
おどろおどろしい疾患名ですが、実際に猫に噛まれてパンパンに腫れあがった画像は検索するとたくさん出てきますよ。
さらに、特定の菌によって引き起こされる感染症もいくつかあって、仰天ニュースで取り上げられた感染症もまさにそれです。
パスツレラ症
パスツレラ菌が原因菌です。パスツレラ菌は猫の口内に高い確率で存在します。ほぼ100%とも言われるほど!口の中だけでなく、爪にも存在し、その保有率は20%ほどとか。
パスツレラ症の症状は、主に「皮膚症状」と「呼吸器症状」のふたつです。皮膚症状の発症は噛まれてから早くて、30分~数時間で患部が赤く腫れ上がります。また、激しい痛みも伴います。蜂窩織炎(ほうかしきえん)に進むと大変な事態になることは先述しましたね。
また、咳が出て軽い風邪に似た症状を起こすこともあります。免疫力の低下している人や乳幼児や高齢者、喘息などの基礎疾患を持っている人は要注意です。軽い風邪症状だけでは済まないで、肺炎を起こしてしまうこともあります。
バルトネラ症(ネコひっかき病)
バルトネラ菌が原因菌で引き起こされる感染症です。この菌の猫の保有率は5~20%と言われていますが、比較的若い猫の保菌率が高いという報告もあります。
症状はリンパの腫れ、微熱、倦怠感、関節痛などで、潜伏期間が長いので噛まれたことが原因と気づかないことも多いようです。
上記のような全身症状が現れるのは、受傷後数日から4週間とか!自然治癒することがほとんどですが、だらだらと症状が数ヶ月も続くことがあるのでやっかいですね。
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
カプノサイトファーガっていう菌は多くの種類がありますが、その中でも猫の口内の保有率(約50%)が高いのがカプノサイトファーガ・カニモルサスです。
症状は、受傷後2~3日で発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛など起こります。発症は稀と言われますが、敗血症や髄膜炎を起こし死亡した例もあります。この場合も、高齢者や基礎疾患を持った人は注意が必要と言えるでしょう。
破傷風
今まで挙げてきた感染症の中では一番ポピュラー(?)耳にした事のある感染症ですね。子供の頃、予防注射を受けたことがあると思います。
ワクチン接種が一般的になってから、感染報告は少なくなっていますが、予防注射を受けていない世代や、10年以上経過して抗体が無くなっている人の感染例は今もあります。
破傷風の症状は 痙攣 です。程度によって第1期から第4期までに分類されていて、重症度が増す第3期になると発作的に全身に強い痙攣が起こります。
猫に噛まれたらまず絶対するべきこと
猫に噛まれたら、とにかく水で洗い流しましょう!水道の蛇口を開けっ放しにして、最低5分はジャージャー洗ってください。

間違っても、傷がふさがったからといって洗い流しが不十分のままで絆創膏をペタって貼らないでください。だらだら血が流れるほどなら、すぐに病院へ行くことをおすすめします!血が止まらない時は、清潔なガーゼなどで圧迫して止血、その足で病院へGO!です。
猫に噛まれたら何科を受診したらいいの?
動物に噛まれた時に受診するのに適しているのは、外科・形成外科などの外科系・皮膚科です。救急センターのある病院では、受付でどの科を受診するか教えてくれますが、夜間救急などの場合は外科系の先生がいるか確認したほうが無難です。
今回私が噛まれた時は、外科のあるファミリークリニックに行きました。縫合するほどでもなかったし、骨にも異常はなかったので。まぁ、猫に噛まれた場合に骨がバキッてことはほぼないですけどね。
猫に噛まれた時どんな治療をする?
噛まれてしばらく経ってしまって、バンッバンに腫れている状態でなければ、通常消毒して抗生剤を処方されます。抗生剤はたいてい飲み薬ですが、場合によっては点滴のこともあります。
実体験:猫に指を噛まれた
今回噛まれたのは、保護猫を動物病院に連れて行ったときです。まったくの油断で恥ずかしいのですが、そのときの状況と治療を書き留めておきます。
私は保護猫の預かりボランティアをしているのですが、噛まれたのも保護猫です。ただ、野良ちゃんではなく、ずっと室内で暮らしていた子で、うちに来る前も数回移動しているし不妊手術も済ませたで、特に問題はなかったそうです。態度に関して。
でも、猫なりにトラウマになることがあったのでしょう。動物病院で診察台に乗せた瞬間ガブッと噛まれてしまいました。
指先だったので、痛みはそれほど感じなかったのですが(ブチッと皮膚に穴が開いた感覚はつよーくありましたけど)、血がダラダラ出てきたので、すぐに水道水で念入りに洗いました。それこそ、塞がりかけた穴をこじ開けて血を絞り出す勢いで~。
動物病院で消毒してもらってとりあえず絆創膏を貼ってもらって帰宅しました。その日はすでに病院の外来時間を過ぎていたのと、パニックになっている猫を放ってはいけないので、翌朝病院に行きました。
傷はたいしたことはなかったのですが、指先ということもあって完全に血が止まるまでけっこうかかりました。つい、物を持つと絆創膏がじわーっと赤く染まる・・・。
翌朝には圧さない限り血はにじまなくなっていたし、腫れもそれほど酷くなかったので、どうしようかな、と悩んだけど薬はもらっておこうと受診しました。
診てもらうと、表面上は腫れては見えないけど「中が化膿しているからねぇ、抗生剤を飲んでおいたほうが良いよ」と言われました。「塞がった状態で中で化膿すると、切開して搾り出すことになるよ」、と恐ろしいことも言われました。

中指です。左がぐっさりいった方で、よく見ると3箇所くらい穴が開いてます。
右は裏側で、ごく浅く牙がこすれた感じの傷ですが、これもなかなか治らなかったです。
画像ではわかりにくいですが、患部は赤紫色になって、指先は赤味が強くなっています。すでに感染症を起こしている状態!?
処置としては、消毒して抗生剤入りの軟膏をぬってガーゼで保護しただけです。そして処方されたのがこちら。

左が飲み薬で右が軟膏です。飲み薬のオーグメンチンは動物に噛まれた時に一般的に処方されるようです。
猫に多い、パスツレラ・マルトシーダ、カプノサイトファーガ・カニモルサスなどに効く抗菌剤です。
アクアチム軟膏も皮膚感染症のお薬としては一般的です。アクネ菌やブドウ球菌に効果があります。
軟膏に関しては、病院によってばらつきがありそうです。菌の増殖を抑える目的なので、医師によって使いやすいものが出されるのかな?
噛まれてすぐにこれでもかっ!ってくらい洗い流したのが良かったのか、指先がバンバンに腫れ上がることもなく済みましたが、ズキズキとした痛みはしばらくありました。
それが無くなってからも、圧すと痛みはありました。この場所、家事をしていると案外負荷がかかる場所なんですよー。
それに、やっぱり噛まれた傷は治りが遅いです。

1週間経ったときでもこの状態です。噛まれた直後より赤く腫れています。
内服薬のオーグメンチンは7日分処方されました。飲みきったので追加で服用はしませんでしたが、指の色は1ヶ月くらい元に戻りませんでした。
傷は治ったんですけどね。でも、裏側の線上に入った傷は、1ヶ月経っても痕が残ってます。
まとめ
猫に噛まれたときは、とにかく洗い流すことが重要です。
動物に噛まれて病院を受診する人の約8割は犬で、割合的には猫は少ないですが、それが原因で感染症を起こす割合は犬よりずっと多く、約8割です。
これは、猫の口の中が犬よりばい菌がいっぱいというわけではなく、牙が細くて深くまで刺さりやすいから。おまけに傷口が小さい分、早く塞がってしまうから、皮膚の下で菌が繁殖してひどい感染症を起こしやすいのです。
本気噛みをされて、ぐっさり牙が刺さってしまったときは、病院で診てもらうようにしてくださいね。噛まれないことが一番なんですけどね。