開園しますベル




    

今日は、“Cathlynnのひとりごと”  です📢


お付き合いくださると嬉しいです🙇







先ずは、
名木田恵子著・祥伝社2010年11月発行
“小説キャンディキャンディファイナルストーリー”
p.334‐336
こちらをお読みください。



 2006年、祥伝社から文庫版のお話があったときも、迷いが強くありました。悩んでいた 2007年・・・・・・いがらしゆみこさんが台湾のイベントで新キャンディ・キャンディ』を制作 すると発表し、新しい物語を募っていることを知りました。 それはめまいが起きるほど、とてもつらい出来事でしたが、反面、なんともいえない開放感を感じたのも本当です。 私の気持ちは決まりました。 文庫版の許諾をし、久々に小説を読み返した私は、またもや考え込んでしまいました。 32年前に書いた小説には、ひとことでは言えない愛着があります。 けれど、小説として出版されるのはこれで4回目。このまま出版されてもいいのだろうか、 これが私の書きたかった世界なのだろうか、と私は自問しました。 そう、私にとってこれが最後のキャンディの物語。だから心のままに──心残りの無いよう にしたい──わたしは全面的に書き直そうと決心しました。 
(略)
そのとき、悩める私の前に現れてくれたのが、その後の──第二次世界大戦を目前にした頃のキャンディだったのです。(心だけの続編では、それが終章になります。) キャンディはほほ笑むと、私をスリムの絵が飾られた瀟洒な居間に案内してくれました。 開け放った窓からは水仙の香りが流れてきました。 ──過ぎていった日々は、切ないけれど、なんて美しいのかしら・・・・・・ね?・・・・・・・。 “スリムの絵” を見つめている私の後ろでキャンディの声が聞こえたような気がしました。 そっと私の背中を押してくれるやさしい声でした。この小説は、そうやってキャンディと共に懐かしい日々を回想しながら描き直していったのです。 

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改めて、このあとがきを読んで、思いました。

“小説キャンディキャンディファイナルストーリー”(CCFS)は、続編ではないと。


キャンディキャンディには、二つの世界があります。

一つ目は、

1970年代に編集者も含め水木杏子といがらしゆみこによって生み出された漫画。

そして概ねそれをもとに作られたアニメと名木田恵子によって文章化された小説。


二つ目は、

事件を乗り越え、名木田恵子がキャンディと共に書き直したCCFS



私が、何を言いたいかというと、この小説は独立したお話なのだということです。

過去の作品と比べる必要はないのです。


*こういう考え方ではどうでしょう!?

 目の前に提出必須の書類があります。

しかし、モヤモヤ〜とし、書き直し、新たに書き直した書類を提出。

その時、わざわざ、書き直す前の書類を一緒に提出はしませんよね?

名木田恵子がしたのは、これに似ているのでは??


違いは、一度は完成した作品であり、出版されてしまった作品であったこと。


でも、書き直した作品だけを読めばいいのです。

何故なら、ファイナル なのですから。


ここで “CCFS” からもう一度。


このまま出版されてもいいのだろうか、 これが私の書きたかった世界なのだろうか、と私は自問しました。 そう、私にとってこれが最後のキャンディの物語。だから心のままに──心残りの無いよう にしたい──わたしは全面的に書き直そうと決心しました。



Q:名木田恵子の心残りって何でしょう!?








伊藤彩子著・同文書院1999年10月発行

“まんが原作者インタビュー” p.160


名木田恵子が、モヤモヤ感を語っています。


テリィの登場で、ストーリーがもっと違う展開になってもよかったはずなのに、ラストが初めからはっきりしていたから、そういう方向に進めていくことになってしまった・・・・・。もっと考えればよかった、とも思うし、あれでよかったとも思うし、よくわからないのよ、今でも。アンソニーの死まではね、なんだか今までの名作ものを下敷きにしているようで、自分でも気に入らないとこがあるのね。でもテリィが出てきてからは、全部、私の世界になった感じで、すごく書きやすくなりました。


テリィが、名木田恵子の書く作品を “彼女の世界” にしてくれたのです。

そして、CCFSで、もっと考えることが出来たのです。


Q:“アレ” はどうなのでしょう?


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CCFSp.336からです。

みなさまに、おことわりしなくてはなりませんね・・・・・・。
それは “あのひと” のこと──。
はじめから曖昧にしようと決めていました。

この小説は物語として完全ではありません。もともと漫画化されるために書いた物語には小説としては繕いようのないほつれがあります。(それは当時の私の若さ故、と力不足のせいなの
・・・・・・)

そう、“あのひと” が誰かをきちんと描くには、長い物語が必要なのです。けれど、それを書くことはもうないでしょう。
.
.
.
もともとイメージの世界である “物語” は永遠に広がっていくものだと私は信じています。


Q:“あのひと” は一体誰なんでしょう?


( ̄ー ̄)ニヤリ







お気づきですか?

そっくり抜き取ってしまった箇所に……


それに “あのひと” を明かしてしまうと、長年の読者たちの夢を奪うことになるかもしれない、とも思いました。(きっと、賛否両論でしょうが)謎は謎のまま、想像の世界を楽しんで もらえたら、と(ちょっと、いたずらっぽく)願っています。


これって意地悪だとは思いませんか!?

何故なら、この部分がなくてもいいのです。

何故、わざわざ “長年の読者たちの夢を奪うことになるかもしれない” と、書いたのか?この文章がなければ、一つ目のキャンディキャンディの世界を気にすることなく、素のままに “あのひと” が誰かを楽しめたのではないのでしょうか?


最近、キャンディキャンディを知らない世代の方が“CCFS” を読んでの
ご意見によると、

“あのひと” は、テリィだそうです。

(一つ目の世界を知っているが故悩んでいる私達は、真っ白な心でCCFSを読むことが難しい可哀想な仔羊のようにも思えてしまいます。)


そして、書く必要がなかった文章の裏には、奪うことになるかもしれない → 奪った

という意味が込められているのではないでしょうか?


Q:長年の読者たちの夢って何でしょう?

一つ目のキャンディキャンディの世界では、ラストは初めからはっきりしており、
キャンディはアルバートさんと結ばれたように描かれています。


CCFSから三度、

このまま出版されてもいいのだろうか、 これが私の書きたかった世界なのだろうか、と私は自問しました。 そう、私にとってこれが最後のキャンディの物語。だから心のままに──心残りの無いよう にしたい──わたしは全面的に書き直そうと決心しました。


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ひとりごとの締め括りです😊


アルバートさんと結ばれた、と信じている長年の読者たちの夢を奪い、名木田自身が書きたかった世界を、キャンディキャンディを名木田の世界にしてくれたテリィがキャンディと結ばれる物語として、心残りの無いようにキャンディと共に書き直したのが、

“小説キャンディキャンディ

ファイナルストーリー” なのだと🥰





本日もご来園ありがとうございました

🍬📚