尾池和夫の記録(426)「俳句四季」2025年8月号「奈良」16句

俳句四季 2025年8月号 16句
奈良 尾池和夫
雨除けに春日大社の木下闇
鹿の子いま梛の大樹の蔭にこそ
親鹿や国宝展へ長き列
鹿の子が煎餅売へ列をなす
甘野老の花失せてあり青嵐
五穀植うる畑は雨の草いきれ
雨あがり花托ちひさき大賀蓮
涼しさや万葉の名を歌に知り
糸とんぼ万葉植物園の田に
万葉の名は「にこぐさ」や夏の果
秋めくと佐保山の辺に鳥のこゑ
飛火野や一位樫の実あをあをと
家持の歌や撫子咲き初めて
その匂ひこその移り香をみなへし
銅鐸に脱穀の絵や小鳥の来
稲熟るる瑞穂の国にあればこそ