尾池和夫の記録(244) 巨大地震の連発  朝日 2005年3月30日F
                           尾池和夫

 福岡県沖の地震について書いていたら、三月二九日の朝のニュースで、スマトラ島沖にマグニチュード(M)八・七の巨大地震が起こったことを知った。できるだけ最近のできごとをというので、原稿は書きなおした。プレート境界や活断層帯に起こる大きな地震で連発した例はがあることはよく知られている。このような現象を双子地震と呼ぶこともある。今回のスマトラ島沖の地震を余震と表現した記事もあったが、それは当たっていない。両方の震源断層面に近い場所で、それぞれの余震がしばらく続くのである。
 地震は岩盤がずれるように破壊して起こるが、昨年末にはスマトラ島沖から北へ、アンダマン諸島に沿って約千キロほど岩盤にずれ破壊が走り、M九・〇の巨大地震を起こした。今回はその破壊面に隣接して、スマトラ島沖から南東に向かって約三〇〇キロ、スマトラ島に沿って破壊が走って巨大地震となった。
 このような大きな規模の地震が連発した例は日本にも多い。南海トラフの巨大地震もたびたび連発した。しかも東から西へと続いた例が多いということも知られている。一九四四年の東南海地震の二年あとに一九四六年の南海地震が起こった。一八五四年、安政東海地震と安政南海地震の場合には三二時間おいて連発した。
 次の、二〇三〇年代に予想される南海トラフの巨大地震は、どのように起こるのだろうか。

(2005年4月1日)