あぐらの中の子猫が
私の腕をよじのぼって
首に顔をうずめようとする

右腰のあたりに子猫が手をかけ
振り返ると私をまっすぐに見つめている

ふたつの子猫
柔らかく
温かく
湿っていて
細い爪が痛く
口をあけても声は小さい

ホワッホワの毛先は光り
ヨロヨロの細い足は前に進む
ぽこりとしたお腹をさらに満たしたいと訴える声に
私はいくらでも応えたくなる

ふとベランダを見ると
もうひとつ
墨色の子猫
淡い縞を頭に透かせて
舐めたいような丸い目で見上げてる

腕に抱き取る
膝に
右太腿に
それぞれの猫

温かく
満たされて目がさめる

………夢だった
しあわせな夢

名残を惜しむようにベランダを眺めれば
秋の雨
降る音も細く細く
空は重く
風はない

白い雨
刈られた草は根を張り巡らせ
枝をはらわれた木は黒々と雨に染まる

染み込む
雨が
染み込んでゆく

子猫は3匹
私とともに
乾いて部屋の中に遊ぶ

降る雨の冷たく
指先の白く
まっすぐな音にいまを知る