握りしめて走ってきたから、
少し汗ばむくらい温かくなった100円玉を
100円アイスといっしょに差し出す男の子
「お願い! 5円は義援金にして!!」
「100足編めたら、北に行くの」
公園のベンチで、くるくる器用に毛糸で靴下を編んでいる
「いろんなサイズのいろんな色の靴下を編んで、
寒くなる前に届けに行くの」
まだ訛りの残る日本語で
「あたしは日本の政府を信じることにした」
中国から来て、日本で結婚し、息子が生まれた
「だからあたしは、逃げないよ。日本と運命いっしょにする」
「泥がなかなか落ちなくて。
井戸水だから冷たいし、洗っても洗っても泥ってホントに落ちないね」
喋りながら動く手は、食器を洗っているようす
「女の人の胸のとこまできたって。
まだマシだよねと言ってたけど、私は何も言えなかった」
猫にリードをつけて散歩させてるおばあさん
「この子をね、毎日ぎゅっと抱きしめてるの。
何度も、何度も」
立ち止まった猫が、おばあさんを見上げてる
「わたしがこの子を抱きしめたら、
どこかで寂しい思いをしている猫さんに伝わるんじゃないかと思って」
川沿いの緑道は
静かな木漏れ日の中
乾いた風が、ことばを運ぶ
少し汗ばむくらい温かくなった100円玉を
100円アイスといっしょに差し出す男の子
「お願い! 5円は義援金にして!!」
「100足編めたら、北に行くの」
公園のベンチで、くるくる器用に毛糸で靴下を編んでいる
「いろんなサイズのいろんな色の靴下を編んで、
寒くなる前に届けに行くの」
まだ訛りの残る日本語で
「あたしは日本の政府を信じることにした」
中国から来て、日本で結婚し、息子が生まれた
「だからあたしは、逃げないよ。日本と運命いっしょにする」
「泥がなかなか落ちなくて。
井戸水だから冷たいし、洗っても洗っても泥ってホントに落ちないね」
喋りながら動く手は、食器を洗っているようす
「女の人の胸のとこまできたって。
まだマシだよねと言ってたけど、私は何も言えなかった」
猫にリードをつけて散歩させてるおばあさん
「この子をね、毎日ぎゅっと抱きしめてるの。
何度も、何度も」
立ち止まった猫が、おばあさんを見上げてる
「わたしがこの子を抱きしめたら、
どこかで寂しい思いをしている猫さんに伝わるんじゃないかと思って」
川沿いの緑道は
静かな木漏れ日の中
乾いた風が、ことばを運ぶ