ずっと考えている
頭から離れないから
どうやら私はずっと怒っている
らしい
どうやら私は
怒りに支配されている
そんなこと
いままでにない
心象

愛するって
自分にないものを与えることなんだって
自分にないものは
自分の奥底に内包し隠している
無にまつわるあの部分

秘めている私の無を埋めるのは
あなたにしかできない
そんな告白
そんな全霊の告白が

なんだって

そんなこと
今日知って
そうなのかぁ…
とかって
いろいろ思ったり
あちこちさまよって
心地よく居心地よくなく
揺らいでいる

ずっとあの時のこと
考えてるから
ずっとあの日のこと
考え続けてるから

自由って何?
暴力って何?
願いって何?
希望って何?
祈りって何?
行動って何?
嘘って何?
光って何?
現実って何?
信頼って…?

………信頼は
ただ
信じる
それだけ

信じる理由とか
信じられるデータとか
そんなの
まったく関係ない
ただ私が
信じる
そう全霊で信じるだけ
人を
ものを
ことを
祈りの力を
愛を

悔しいのは
あの日
私のしていたこと
あの瞬間
私のしていたらしいこと

もっと
もっと、もっと……
できたんじゃないかと
奥歯が痛くなり
悔しくって目がかすむ

ずっと
考え続けてる

悔しさからくる怒りに
いまはどうやら支配されている

何度も何度も何度も入れ替わり立ち替わり誰も彼もから
私に足りないって
言われてきたこと

悔しさが足りない
怒りが足りない

いまの私を見て
長年忠告してくれてた方たち
ようやく安堵してくれている?

私は
イヤだ
私は
怒りに
支配されたくなんてない
自分から生じた怒りになんて
支配されたくなんて
ない

私は
私の感覚でいたいよ
衝突から生ずるものじゃなく
自ずから
なるべくように
生ずるもの
自然…じねん
そこへ
寄り添っていたいよ

怒りに支配されっぱなしのいま
懸命に
言い聞かせている

そこじゃ
ないでしょって

それでも
難しいのかもしれない
変動期
なのかもしれない
それでもやっぱり
私は
私の
残像を知り

私は
私の
影であり

私は
私の
魂のままに

ここに
ありたい

怒りではなく
悔しさから生ずる衝動
それは
きっと
震える魂の
静寂

森の土の
匂い
深い水の目眩がするような


私の内包し秘匿している
無にまつわる部分
持っていないものを
与えたいと
渇望する


まるで申し合わせたように
誰もがすっと口を閉じ
眠りの世界に引きこもったように
雨の音しか聴こえない午後

今日もどこかで祭りは始まり
いまも誰かが歌っている
篝火は白い空に熱を放ち
渡る風は生まれたてのことばを運ぶ

知らない人に会った
初めての声を聴いた
塗り絵のように
同じものに異なる色が立ち現れる

震えているのは何だろう
震えているのは何故だろう

手にしたものを地面に置き
静かに雨に打たれている

洞穴の奥の空気のように冷たい湿度を含んだその岩は
崩れた時間を何度も巡らせ
腹を押しあて耳を傾ける者に物語る

種が水を含み
根が土を運び
芽が動くものを呼ぶ

静かに
雨は降り続ける
ビルしか建っていない一角にも
霧の向こうに隠れている窪みにも

文字が
落ちてくる
空は見えない

皮膜は消え
祭りの音が聴こえる








6月に走り始めたことしの夏は
7月になる日をまたいでスパークし
波紋の中のひと月があり
殴られるようなことをさらりと耳にし
お盆すぎには海を渡り
幻影のような美しく儚い島の稜線を眺め
夏の尻尾の週末は祭りの手伝い
見上げた空に豊かな川
ちいさなイベントは慌ただしく
ふたたびのテントは賑やかで
そして
焚火を囲んでの一夜
あふれだす音楽
ことば
想い

夏の影の余熱の中
いまようやく
歩調をゆるめ始めてる

私のしたいことは何だろう
ことばは走る私に追いついて
誰かが何度も私に言っていた
私のしたいことは何?

流れる景色を眺めながら
繰り返し考え
繰り返し感じ
繰り返し想い
繰り返し浮かび上がってきた

少しでも自分の食べるものを自分で育てること
少しでも自分の手の中から作り出すもので暮らすこと
命あるもののそばにいること
読むこと
書くこと
聴くこと
魂に触れること

快不快は私にとってものすごく重要で
だから矛盾しているようだけれど
わかったうえでの”不便”なら
それはきっと手間をかけること
心地よさは重要だけれど
便利じゃなくてもいいのかもしれない
工夫をこらすのは
昔からゾクゾクするくらい大好き

ただ
ムリは続かない
大丈夫大丈夫なんて言ってても
ムリなムリは続いていかない
そこはちょっと気をつけていなくちゃ

私のしたいこと
きっとそんなようなこと

深呼吸できるようなこと

そういえば昨日
銀座を歩いてるとき
やっぱり好きだなってすごく心がくつろいだ

好きな場所は好きだもの
落ち着く場所は落ち着くの

ムリして
かけ離れすぎないように
好きなことを
好きなようにできるように
時間や手間や人との出会いを重ねながら
好きな心地へいられるように

この間
久しぶりにヨーガをしたら
ああ本当に好きだなってわかったから


走った夏の余韻はまだ濃く深く
これからも小走りは頻繁にあるはずで
そして歩いて
足元を見て
景色を眺めて
声を聴いて
いつも立ち現れるところをぎゅぎゅっと握って感じていられれば
そして感じ取ったなら
できればパパッと手放して
信じるところへ
想うほうへ

緑の匂い
碧の音
眩しい温度
夜の色
右の掌の
遠い声のするほうへ