菅義偉総務相は25日の会見で、「ふるさと納税」構想について「(寄付税制の拡充も)一つの考え方で、その場合には全額控除だと思う。研究会で検討してもらいたい」と述べた。ふるさとへの寄付と同額程度を現住所に納める納税額から控除する「寄付金税制の拡充」が有力な案となるとの見方を示唆したものだ。

 ふるさと納税構想については当初、菅氏が個人住民税1割程度を、生まれ育った故郷などゆかりのある自治体に納めることができるようにする案をあげていた。だが、行政サービスを受ける住民が税を負担する「受益者負担の原則」の観点からの問題点など「税務上は難しい手続きを踏まなければならない」(麻生渡全国知事会長)など実現を疑問視する声が強まっていた。

 これに対し、寄付の場合は、税の「受益者負担の原則」には抵触しないほか、菅氏のめざす「簡単でわかりやすく、利用しやすい」制度になる可能性も高いとみられる。片山虎之助参院自民党幹事長も25日の会見で「打ち出しは弱いかもしれないがずっと現実的だ」と賛意を示した。

 菅氏は25日の経済財政諮問会議で、ふるさと納税構想を正式に提案。納税者がふるさとへの貢献が可能になる税制上の方策を実現したいとの考えを表明。また、島田晴雄千葉商科大学長を座長とする「ふるさと納税研究会」のメンバーを発表した。研究会は6月1日に初会合を開き、年末の税制改正論議に合わせ、10月をめどに方針を取りまとめる考えだ。

【研究会メンバー】

 「ふるさと納税研究会」の座長以外のメンバーは次のとおり。跡田直澄・慶応大教授小田切徳美・明治大教授桑野和泉・玉の湯社長佐藤英明・神戸大大学院教授千葉光行・市川市西川一誠・福井県知事長谷川幸洋・東京新聞論説委員畠山武道・上智大大学院教授水野忠恒・一橋大大学院教授