歯車が二つありました
もともと
同じような形の凹凸で
噛み合っていました
でもあるとき
歯車がまわるのに必要だろうとされた緩みが
どうも過ぎてしまったようで
それ以来
二つの歯車は
見かけは噛み合っているようには見えていましたが
どうもスッキリとは噛み合ってはいなかったようでした
凹の歯車は
噛み合ってるはず
と思っていてそこを譲りません
凸の歯車は
その緩みを幸いに
ほかの歯車にも噛み合わせに行きました
凹の歯車は
凸の歯車が
ほかの凹の歯車と噛み合っているなんて
疑いもしませんでした
なので
全く、そんなことは知らずに
何年も、何十年も
凹の歯車は
凸の歯車と
しっかりと噛み合っていると思い込んでいました
凹の歯車は
その凹と凸
そこだけが噛み合っているもの…と
ずっと信じて疑いませんでした
あるとき
凹の歯車は
どこか不吉な違和感を覚えました
でも
まさか…
とまた、いつものように回りました
でもそんなある日
凹の歯車は、ほかの凹の歯車の存在を知りました
凹の歯車は停止しました
凹の歯車は、過去を振り返り見ました
何年も、何十年も
そうしてみつけたものは
あらゆる、他の凹の歯車でした
凸の歯車には
たくさんの
他の凹の歯車との噛み合いがあったのでした
凸の歯車は
気づかれてしまった
他の凹の歯車の存在に
それらの他の凹の歯車を全部手離しました
凸の歯車は
本来の凹の歯車だけが
大切な、凸の歯車が噛み合わせる相手だと
やっと深く自覚しました
それからは
度々止まる凹の歯車に
凸の歯車は合わせては止まり
止まってはまた、動き
ともすると
逆回転にもなり…
それにも
凸の歯車は
必死になって噛み合わせて…
そうして歳月を費やしました
凸の歯車も、もう疲れた果ててもいましたが
凹の歯車との
快く噛み合っていたあの頃のように
また
噛み合いたい
そう思い
必死に
頑張りました
やがて
凸の歯車の頑張りの甲斐あって
凹の歯車は
やっと自分の回転を、取り戻しました
そうして
凹の歯車と凸の歯車は
また
快調に軽やかに穏やかに回り始めました
まあ、また、止まるのこともあるかもしれません
それでもいいんです
いろいろを経験した
凹の歯車と凸の歯車
もうこれからは
何があっても大丈夫
立ちはだかった壁は、乗り越えられることがわかっているから
凹の歯車と凸の歯車は
からからと回り出します
凹と凸が噛み合って回転すると
そこからはいろいろなものが生まれます
喜び、平和、優しさ、心地よさ、楽しさ
もちろん
苦しみや悲しみ、その他の歯車を重くてするものもあります
でも、それらの重くするものがあるから
軽やかさに喜びを得られるのです
からから、からから
時々はオイルを差して
凹の歯車と凸の歯車は
今日も快調に回っています
いつまでも
いつまでも
凹と凸
二つの歯車は
仲良く穏やかに回り続けます⭐︎