昨晩


高速道路の渋滞のあと


首都高速にも渋滞箇所をみつけた夫は


一般道へ降りて


我が家へ向かいました



その経路は


近頃は、ほとんど利用していない道順でした


今の地に住むようになってからは…



結婚して三年間住んだ借家が


その降り口からほど近いところにありました


なので、昔は


その高速道路を使えば


そうして一般道へ降りたのでした



不意なその道順に


夫は何も思わない様子


私は


ここって、昔住んでたところだよね?


すると夫は


うん、そうだよ


と軽い返事



もしも


発覚前の、夫のあの不倫を知らない私なら


ただ単に


新婚時代を懐かしんだ私だったかもしれません



しかし、夫のすべての不倫を知った今…



かつてそこに住んだ何十年も前の夫は


新婚一年余りから


不倫女を抱いていた夫でした



私はその周辺を走行し始めたとき


懐かしい土地



あの忌わしい夫の不倫


の、その両方を


一瞬に頭のなかで交錯していました



私は


あの家、今でもあるのかな?


というと、夫は


もうないかもな、建て替わってるかもしれないな


と返事



一瞬のめまいにに似た感覚を


そんな会話に今を保った私でした



夫の不倫は


もう、過去のことです



ではないのです



この地に住んだ私と夫


その夫は不倫をしていました


でもその不倫は


…その頃であっても…


それが夫の全てではありません


また、その不倫女は


夫の全てを所有支配していたのでもありません


夫も


その不倫女を


日がなに思いながら暮らしていたわけでもありません



ただ


夫は


不倫していただけ


夫は


不倫女を抱いた時間を


夫のこの長い人生のなかに


ほんの消えない点、シミに


つけただけです



もう


その点を大きく捉えることを


今の私は手放しました


もうそこには意味がない、


というよりも


そんなシミは


見流せるようになった私でした



…そんなことがあったな…



走る車の速度が上がるのに任せて


その想いも


私から走り去りました



クルマはそのまま


流れよく


自宅へと走り


帰宅しました



今日、スマホを手にした時


ふと思い出し


Google mapsを見ていました



夫と新婚時代を過ごした家は


きれいに手入れをされた外観で


まだそこにありました



そのGoogle mapsのストリートビューのなか


私は当時の頑張った私がいたのを


見つけました



不倫女が影にいながらも


そんなことなんてなにも知らずに


ずっと、私は


その結婚生活を


この私の一生の一時期を


私はそこで


頑張って


生きていたのでした



そんなことを思いながら


私は


自らに微笑むことができました



私は私の人生に


消えないシミや点をつけていません


私はずっと、真っ当に、真っ直ぐに


妻を、母を、嫁を、生きてきました



決して


夫を裏切ることなどなく



それでいいんだ


私はそれでいいんだ


そう思えました



シミや点をたくさん付けた夫は


今はそこに触れられることを極度に嫌います


触れられたなら


そこは、身にも心にも


痛みが走るようです



そこに


不倫された者と不倫した者との大きな違いが


あるのだと、私は、思います



不倫した夫は


一生不倫した過去を背負い続けるのでしょう



不倫された妻は


たくさんの涙を流し


自己再生、夫婦再生が果たせたなら


あとは


穏やかな軽やかな人生が待っているのです



まあ、私は不倫なんてしないけれど


逆の立場でなくてよかったな


なんて


くだらないことを思ってしまいました…笑



夫の不倫は


発覚したことにより私は


…長く時間はかかったけれど…


頑張らない私を


みつけることができました


そして、


さらに頑張らない私を


追求できそうな気配…


また、もっと


楽になれそうです



旅は


いろいろな気づきを起こします


それらが過去は


陰に出ていたことも多く


旅の前後は荒れた私でした


でも、今は


陽に生かせていて、とても、穏やかです



旅の最後にふと通り過ぎた


昔に住んでいた街に


怒りや悔しさや悲しみを流し切り


今ここにすっきりと立ち上がった私が在ることを


あらためて認めた私でした



あの頑張っていた過去の私に


今の私は


ありがとう


の言葉を


送ります⭐︎