『変わらない世界』①








―――今日もみんなに会える―――

今日も元気な声が聞こえてきた。

どんどん集まってくる。

そんなみんなを私たちは上から静かに見下ろす。いや、見守る。

「○○くん、髪切ったのかな?」

「△△さん、相変わらずおしゃれ!」

「あーあ、□□ちゃん、泣いちゃったよ・・・。」

「××さん、今日は休みなのかな?」

こんな事を勝手に思いながら、みんなを静かに見守る。





―――3月―――

旅立ちの時。

泣く人いれば、笑顔の人、握手している人、胴上げされている人。

でも誰一人、私たちに言葉をかけてくれない。

それでも私たちは、ただただみんなを明るく輝かせる。

それが仕事だから・・・。











いつの間にか、賑やかだった教室には静けさが漂っていた。

「もうみんな帰ったのかな?」

そう思っていると、一人の子がやってきて、誰もいない教室に向かって一言、

“お疲れ!”

そう言って私たちのスイッチをオフにしてくれた。

暗くなった教室。

そこで私たちは静かに泣いていた。





―――4月―――

新たなスタート。

教室には期待と不安と緊張が入り交じった人がたくさん。

そんな人たちを、私たちはいつものように静かに照らし、見守る。

あ!

「○○くん、怒られてる(笑)」





直接的な感謝の言葉なんて要らない。

この、変わらない世界が見られるだけで十分さ。

・・・って、こんな事を考えていたら、もうこんな時間。

パチッ。

いつものようにスイッチ消してくれて、どうもありがとう。

また明日、、、ね。



《終》