猫とスノー・フレーク・オブシディアン(愛の維持)


1月20日は、猫のミーちゃんの誕生日だった。飼い主のサトシくんは、ミーちゃんに特別なプレゼントを用意していた。それは、スノー・フレーク・オブシディアンをつけた首輪だった。この石は、1月20日の誕生石で、愛の維持という意味があるという。サトシくんは、ミーちゃんにこの首輪をつけて、「これでずっと一緒にいられるね」と言った。ミーちゃんは、サトシくんの優しい言葉に嬉しくなって、ゴロゴロと喉を鳴らした。


その首輪には、もう一つの機能があった。それは、スマホのアプリと連動して、ミーちゃんの運動量や体調を管理するというものだった。サトシくんは、スマホでミーちゃんのデータを見ながら、健康に気をつけるように言った。ミーちゃんは、サトシくんの心配をよそに、自由気ままに遊んでいた。


その日の夜、サトシくんは、ミーちゃんを連れて、神戸ルミナリエに行くことにした。神戸ルミナリエは、阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、記憶を次世代につなぐ光の祭典だった。新型コロナウイルス禍を経て、4年ぶりに開催された。例年の12月から1月に時期を変更し、会場も分散されたが、それでも多くの人が訪れていた。


サトシくんとミーちゃんは、旧外国人居留地の一角にある有料エリアに入った。そこには、幻想的な光のトンネルが広がっていた。サトシくんは、ミーちゃんを抱き上げて、トンネルの中に入った。ミーちゃんは、目の前に広がる美しい光に驚いて、しばらく動けなかった。サトシくんは、ミーちゃんの耳元で、「これは、震災で亡くなった人たちの魂が灯した光だよ。彼らは、私たちに生きることの大切さを教えてくれているんだ」と語りかけた。ミーちゃんは、サトシくんの言葉に感動して、涙がこぼれた。


ミーちゃんは、サトシくんに感謝の気持ちを伝えるために、首輪に願いを込めた。そのとき、スノー・フレーク・オブシディアンがふわりと浮き上がって、光のトンネルの一部になった。ミーちゃんは、驚いてサトシくんに尋ねた。「これは、どういうことなの?」サトシくんは、笑って答えた。「これは、ミーちゃんの愛が灯した光だよ。ミーちゃんは、震災の犠牲者と同じくらい、私たちに生きることの大切さを教えてくれているんだ」ミーちゃんは、サトシくんの言葉に嬉しくなって、ゴロゴロと喉を鳴らした。二人は、光の中で抱き合って、幸せな時間を過ごした。





※フィクションです