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新米ボランティアKが、吾輩にこんな首輪を作って

きた。仕方ないので、黙って付けさせてやったが

吾輩、まんざらでもない。






市役所経由できた、庭の親子猫の続きだ。


以前、理事長が餌をあげて欲しいと伝えたが

家人は約束を破り、餌を与えず

母猫が餓死してしまったことがあった。


新米ボランティアKは、2度とそんな話しは

聞きたくなかったから、今度は自分が

助けようと心に誓っていた。


兎に角、真っ先に母猫用のフードを

家人が帰ってくる時間に持って行った。

名刺と団体のパンフレットも渡すつもりだ。


聞いた住所をたどると、

開けっ放しの門に雑然とした庭が少しだけ。

母子猫は、ゴミ箱と室外機の間の土に

すっぽりと潜り込んでいた。


警戒の目を緩めない、凛とした白い母猫と

そのお腹の上で、安心しきって寝ている

4匹の小さな白い子猫たち。



どうしても助けたいと

すぐM師匠に連絡を取った。



次の日の朝、M師匠と捕獲器を持って出かけた。

母猫は、やはり警戒している。

警戒しつつ、子猫にお乳をあげていた。

M師匠が手際よく捕獲器を仕掛ける。


「手荒なことはしたくないし、これで様子を見よう」

M師匠がささやく。

カンカン照りの中、汗が吹き出して目に入る。

目が痛くて開けられないが、母猫の様子も

気になる。

どうやら長期戦になりそうな予感がする。



M師匠が用事でいない間、

新米ボランティアKが、何度か様子を見に行ったが

全く動かない母猫に安心して

ほんの少しの時間、目を離してしまったところ

次に見に行くと、子猫1匹を残して

母猫は姿を消してしまっていた。


焦った新米ボランティアKは、

辺りを探しまわったが、

母猫の姿はどこにも無かった。


そして、残された1匹を保護するべきか

判断が出来なかったことを、後悔することになった。

右往左往している間に、

新米ボランティアKの目を盗んで

母猫は子猫を連れて行ってしまったのだ。


もうすぐ台風が来るかもしれないのに。

エサだって、満足に貰えてないかもしれないのに。


あれから、幾度となく探しに行ってみたが

あの母子猫の姿はない。


「失敗を重ねて学んでいくんだよ」

M師匠に慰められた新米ボランティアKだったが

まだ諦めないでいることを

吾輩だけが知っている。