怖いステロイドの話 | お局秘書の日記

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酸いも甘いも噛み分けた(?)お局秘書のありふれた日常を、つらつらと綴ります。

ステロイドが怖いという認識は、世の中の常識となって久しい

ことと思いますが、最近改めてその怖さを目の当たりにする

出来事がありましたので、長くなりますがその件に触れたいと

思います。


父の仕事関係の40代前半の方なのですが、急な眼の病

(緑内障ではないとのこと)により、失明の危機に晒されたそうで

短期間に大量のステロイドを投与したそうなのです。

久しぶりに先日我が家に見えたとき、足元がおぼつかないよう

だったと母が私に言いました。

それを聞き、即座にあることを危惧しました。それは・・・


実は自分のことを例に挙げるのは躊躇したのですが、少しでも

私の実感を伝えたいので、思い直して書きます。


実は、この半年くらいの間に、いわゆる変形性股関節症(老化?)

を発症しまして・・・トホホ。

どうやら長年の運動不足と、25年以上毎日履いている細いヒール靴

の弊害らしいのです。

レントゲンでは、骨盤と大腿骨頭の間の軟骨が若干すり減っている

ように見えます。しかし、これが結構歩行に影響を及ぼすのです。

いつも痛いわけではないし、一見何でもなく歩けるのですが

無意識に股関節の違和感をかばうために、不自然にあらゆる筋肉を

使うのですね。そのために、長時間歩いていると、何の異常もない

腰や膝が痛くなるのです。

レントゲンでは急な治療を要する所見はなかったのですが、医師は

「大腿骨頭壊死症の可能性も無きにしも非ずなので、念のために

MRIを撮りましょう。」とおっしゃいました。


は?大腿骨頭壊死症??なにそれ???


分かり易く言うと、歌手の故・美空ひばりさんが晩年になった病で

何らかの原因で大腿骨頭に血が通わなくなり、壊死して崩れてしまう

病気なのです。当然そうなると激痛が伴います。

後日MRIの結果が出るまでの間、当然のことながら、いつもの如く

調べ尽くしました。

私の場合は原因不明となりますが、99%確定だなこりゃ(-"-; って

感じでした。ところが、幸いその病は免れました。(^_^;)


大腿骨頭壊死症の原因は、過度のアルコール摂取、潜水夫、長期

または大量のステロイド投与・・・それ以外は原因不明なので「特発性

大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこっとうえししょう)」という難病

とのことでした。発症者の60%がステロイドの後遺症だそうです。


完全に骨頭が崩れてしまうと人工股関節に換えなくては歩けない

でしょう。しかし、軽度のうちは京都大学医学部で臨床実験が行われ

ているヒト成長ホルモン含有のハイドロゲルを注入し、骨を再生させる

治療もあるようです。早く普及してほしいですね!!


残念なことに、その40代の方は私が危惧した通りになってしまい

ました。

一時期自分もそうなるかも?と抱いた不安を思うと他人事には

思えず、両脚がそんなことになってしまったその方がお気の毒で

なりません。

でも、本来の病を治すために致し方なかったことなのでしょう。


そのようなわけで、アルコールの過剰摂取、長期または大量の

ステロイド投与を受けた方、もしそのような後遺症の可能性を

聞かされていなかったとしたら、どうか気を付けてください。

股関節の違和感を感じなくても、最初は膝や腰の痛みを感じるだけ

だったりします。そんな自覚症状がありましたら、レントゲンとMRIを

撮ってください。MRIで分かります。


現在、ごく初期の段階では骨頭に負担をかけないように筋肉を

付けたり、杖をついたりして痛みを軽減する温存療法でいける

場合もあるようです。

もう少し壊死が進むと、壊死範囲が小さいうちは骨切り術、壊死が

かなり進行した場合は人工物置換術という方法しか有効な手立てが

ないようです。でも、手術は大がかりでしょうし、ダウンタイムも長い

でしょう。


ステロイドというのは両刃の剣であり、やはり怖いものだと思います。

身に覚えのある方には怖がらせて申し訳ないのですが、でも知らな

かったのと知っていたのでは、その対処も変わってくるのでは?

と思います。

どうか、ご自身の身体の声に注意深く耳を傾けていただきたいと

感じます。