狐笛のかなた 上橋菜穂子
新潮文庫
<何度もいうようだけど新潮文庫のしおりに◎>
家族の付き添いで病院の待合で読み本を探していたら、階段で積み重なっている本の中からこの本を見つけた。あまり、面白くなさそうだなと敬遠していたが、他に見当たらないので、この本を読むことにした。何回も書くが熱くて死にそうだ!
<以外と面白い中身>
児童文学に分類されているようだが、大人が読んでもなかなか面白い。ある島の2つの氏族、有路ノ一族と湯来一族との若桜野という領地をめぐる争いである。もともと島の領主の直轄地であったものが、戦いの褒賞として有路ノ一族に与えられ、湯来の領土にも流れていた杉谷川が湯来一族に流れるのを阻止したことにより、湯来一族の有路ノ一族への恨みは頂点に達した。
<兄弟の相克>
長男というだけで有路ノ一族の頂点に立つ兄。次男というだけで弱小の湯来一族の婿に追いやられる次男。盛ただ。しかし、湯来一族には強力な呪者、久那がいた。この呪者が使い魔を放ち、有路ノ一族を窮地に陥れる。
<小夜と野火の話>
一族の相克だけだと、どろどろした話だけで終わるのだが、それはあくまで伏線である。幼い頃に助けた使い魔の霊狐、野火と呪者、花乃の娘、小夜とが霊界で結ばれる話でもある。小夜は自分の人間の命を捨てて、野火を救う。しかし、小夜はそれによってもう人間としては生きることができなくなる。
<さて、猫と人間も結ばれるか?>
猫と人間も親密な関係を築いているが、猫と人間も霊界で結ばれることがあるだとうか?残念ながら、猫は使い魔として登場しない。もう、化け猫として霊界の帝王として君臨しているせいかな?

