だいこん

山本一力

光文社時代小説文庫

 

 

<久しぶりに本を読む>

病院の待合で時間をつぶすために読む本を探していた。最初に手を付けたのは、「東方見聞録1」マルコ・ポーロだが、脚注が多すぎて本文に集中できない。ので、本を読むはずがスマホでニュースばかりを見る羽目に。で、次に病院へ行くときは、マルコ・ポーロは諦めて、他の本を探す。「だいこん」は以前に読んだことがあるが、また読むことにする。ちょっと分厚いのが気にかかるな?

 

<流石の山本一力の筆力>

分厚いのでどうかと思ったが、流石の山本一力。筆力が凄い。読ませる。病院の待合室での喧騒の中でも、本に集中できる。読む、読む。読み続ける。自分の名前を呼ばれても思わず聞き逃してしまうところだった。次も山本一力の作品でいくかな。

 

<話はというと>

江戸は浅草で、一膳飯屋を営む主人公のつばきとその家族の物語である。つばきの淡い色模様もあるが、博打で大借金を作った父安治と、その借金を返そうと奮闘する母みのぶ。それを支えるつばきが商才を発揮し、妹のさくら、かえでも使って店「だいこん」を切り盛りする話である。

 

<江戸のやくざと圧政をしく徳川幕府>

昔は良かったなんて人もいるけど、衣食住すべてにわたって今の時代の方が昔の時代よりも進歩しています。医療を見れば猶更ですね。自由にものを言えるのも今の社会だからです(もちろん問題はあるけどね)。昔は、いたるところにやくざが介入し、暴力が社会を支配し、もちろんその上にある幕府も自分たちの都合で政治を支配していました。その中で、つばきが商売をするのは、大きくするのはとても大変なことだと思います。もちろん、小説だから実際にこんなことができたのかは分かりませんが?

 

<それにしても、伏魔殿東京幕府、小池都政>

なんか、「東京の伏魔殿を解消する。都民ファーストの政治を」スローガンだったはずの人が今では記者会見からフリーランスの記者を締め出し、自分に都合の悪い質問をする記者は排除する。形ばかりの聴聞をして、三井不動産の都市開発に邁進。東京は三井不動産のものではありません。いつから三井不動産ファーストになったんですか?どこか、おかしいと思いませんか?学歴詐称の件でも誤魔化そう、誤魔化そうという態度が露骨に見えて余計不信を買いますよね。カイロ大卒の得意?のアラビア語で記者会見をしてくれませんか?誠実な人が都政を担うべきです。

 

<つばきをがっかりさせないで>

「だいこん」のつばきもこんな人が江戸の都政を担うとしたらがっかりするでしょう。