動物愛護基金の使い道について
◆別府建一議員
続きまして、動物愛護基金についてお伺いいたします。
動物愛護基金は平成24年より設置されました。
ふるさと納税の募集パンフレットには、
1、野良猫等の不妊手術費用の一部助成、
2、犬・猫の適正飼養による普及啓発、
3、犬・猫の殺処分ゼロを目指す取り組みなどと書かれています。
そこでお伺いいたします。平成29年度の寄附金はどのくらいになりましたか。
また、動物愛護基金に寄せられている寄附された方々の思いを、
本市として期待に応えている使い方を行っていると思われていますか。
◆医務監(郷司純子さん)
平成29年度の同基金への寄附金は約835万円であり、
基金の残額は平成29年度末現在で約3,130万円でございます。
同基金に寄附を求めるパンフレットには、犬や猫の殺処分の減少や
適正飼養に係る普及啓発等、寄附金の使途を明確に記載しております。
本市においては、野良猫の不妊手術の費用助成や譲渡促進、
鑑札と注射済票の装着推進、飼育マナーの啓発等、
動物愛護に関する施策に基金を使用しており、
パンフレットに掲げる使途に合致していること、また、動物の殺処分数が
減少傾向にあり、適正飼養にもつながっていることから、
寄附者の期待に応えたものになっていると認識しております。
◆別府建一議員
ありがとうございます。動物愛護基金活用の事業費より、
学校で飼育されている動物のウサギの飼料費について、
今年度は81万円を見込んでおり、平成28年度から支出されています。
そこでお伺いいたします。ウサギ飼料費を支出されている中、
ボランティアの方々が御負担されている収容動物の治療費や保護費も
本市で御負担いただけるようにはできないのでしょうか。
できないのであればその理由もお聞かせください。
◆医務監(郷司純子さん)
学校飼育動物に対する基金からの支出については、
協議会の中で意見をいただいて決定したものであり、子供たちの動物愛護に係る
意識を高めていくために実施していることから、基金の目的に沿ったものと
考えております。
一方、ボランティアが保護している動物の治療等に関する基金の活用に
つきましては、当該動物が市内で保護された動物であるかどうかの確認や、
治療や検査の必要性を判断することが極めて困難であるため、
基金の活用は難しいということを協議会の中で説明させていただいております。
多頭飼育崩壊について
◆別府建一議員
ここ数年、猫などの多頭飼育崩壊が増加しています。
多頭飼育崩壊とは、ペットが過剰に繁殖し、適切に飼育できなくなるほど
ふえてしまい、生活が破綻してしまうことなのです。
1匹の雌猫を不妊手術を行わず放っていると、生後半年ぐらいで子猫を
生めるようになり、年に2回から4回発情期が来て、1回の出産で4匹から8匹、
子猫を出産します。
1年半ほどで40匹になることはよくある話です。
動物愛護団体での調べによりますと、平成28年から平成30年5月まで、
動物愛護団体での調べによりますと、平成28年から平成30年5月まで、
尼崎市内における猫の多頭飼育崩壊が起こったのが15件、
その内訳として共通していることは、
高齢者単身もしくは御夫婦、親子で、不妊手術は行われていません。
また、ほとんどの方が年金受給者、もしくは生活保護受給者や生活保護申請者です。
このうち猫81匹をボランティアが自宅にて保護しています。
また、医療費、不妊手術費、保護費などは全て個人で負担されています。
このように過剰な繁殖がいかに地域社会へ悪影響を及ぼしているか、
本市では御理解されていますか。
そこでお伺いいたします。本市では、この現状の内容把握はしているのでしょうか。
また、指導は行わないのでしょうか。早期の段階で情報をキャッチし、
不妊手術へ導くために、具体的な連携の仕組みを構築できないのでしょうか、
お尋ねいたします。
◆医務監(郷司純子さん)
多頭飼育崩壊の現状については全市的な把握には至っておらず、
悪臭等の苦情が動物愛護センターに寄せられて初めて発覚するという
ケースがほとんどです。
その際、飼い主に対して、不妊処置の実施についての指導や譲渡先探しに
ついての助言を行っております。
これらの早期把握につきましては、保健や福祉など家庭を訪問する関係者から
情報を得ることはプライバシー保護の観点から難しいため、
多頭飼育をされている家庭を訪問した際に啓発チラシを渡してもらうことで、
猫の不妊手術の重要性について周知しております。
今後も関係機関と連携しながら情報収集に努めていきたいと考えております。
◆別府建一議員
すみません。そしたら、動物愛護基金については毎年多大な御寄附を
いただいており、その寄附者の思いにかなった使い道を協議会にて協議し、
適切に御利用いただけるようお願いいたします。
また、ボランティアの方々は、小さな命を守るために、お金や時間を
たくさん費やしております。
その上、動物愛護基金への寄附のお願いを、常日ごろお声がけ、まち中で
イベントも行われています。
殺処分ゼロを目指して本市も市長を初め本気で取り組んでいただきますよう、
切に要望いたします。
尼崎市議会平成30年6月定例会(第5回6月8日)
質問者:別府建一議員