こんにちは。くろねこでございます。
皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
 
 
2019年11月24日。
花組第27代トップスター・明日海りおさんが宝塚を卒業されました。
 
史上最大の規模で行われた千秋楽のライビューイング。

私ももちろん近所の映画館で見てまいりました。

 

 

作品自体は、ありがたいことに何回かすでに観る事ができていたので、

自分なりにお芝居もレビューも見どころを押さえていたつもりではあったんですけど、

ライブビューイングだと話の筋になる人を中心に映していくじゃないですか。

なので、お芝居は今まで見た中で一番ストーリーがしっかり伝わってきたように思いました。

(劇場で観る時はどれだけご贔屓アングルに偏っていたのか改めて実感するヅカヲタ)

 

それにしても、大画面で見るみりりん(明日海りおさん)は本当に美しくて神々しくて、

本物の精霊が現世に現れたのかと思えるくらいに輝いていました。

 

そしてレビュー。

男役へのこだわりと、主演を任された者としての牽引力や求心力と、

残る者への愛情と包容力と、唯一無二のトップスターとしての輝きと・・・

「明日海りお」という男役さんの魅力の全てが詰まっていて、

1人の偉大なスターの集大成に相応しいレビューだったと思っています。

 

 

明日海りおさん、ご卒業おめでとうございます!!!

 

 

ご本人もメッセージで仰っていましたが、

みりりんて決して男役としての体格に恵まれていた訳じゃないと思うんですね。、

それはそれで可愛らしかったけど、月組から花組に組替えになると聞いた時は、

今までとは全然カラーの違う「花組の」男役としてきっと苦労するだろうなって思ったし、

実際にみりりんが花組のトップスターに就任した当初は、

オトナな魅力と色気を振り撒いていた赤面王子・蘭寿とむさんの印象も残っていたからか、

みりりんが「スーツの花組」と呼ばれ、ダンサーが多くショーに強い花組のトップスターで

本当に大丈夫か?的な声もよく耳にしたように記憶しています。

 

今だから言えることですけど、当時は組の体制もけっこう若い布陣でスタートしていたから、

若くてフレッシュな雰囲気はあったけど、あまりまとまっていたかっていうとそうでもなくて、

なんて言うのかな・・・みりりん自身も「花組」のトップスター・「花組」の男役としての

自分の見せ方に迷いがあると言うか、なんだかいつもいっぱいいっぱいに見えると言うか・・・

うーん・・・スターとしての余裕?のようなものを感じられたかっていうとまだそうでもなくて。

なんかそれがトップになった最初の頃は観ている側にも時々伝わってくる時があって、

それがね、もうね、観ているこっちもヒリヒリ、ハラハラすることがあったのですよ。

 

・・・これは私の勝手な憶測に過ぎませんが、みりりんがトップスターに就任した当初は、

相手役に就任した花乃(まりあ)ちゃんも組替えしてきたばかりなうえにまだ下級生だったし、

みりりんもとにかく「組を引っ張る」「良いパフォーマンスを見せる」ことに必死すぎて、

お互いを信頼し相手に委ねるってことがなかなかできなかったんじゃないのかな・・・

 

私はみりかのコンビのファンではありますが、やっぱりその辺のちぐはぐした雰囲気は、

贔屓目をフルに発揮して観ても、残念ながら舞台から感じられてしまう時もあったんです。

(実際に色々とアンチな意見も吹き荒れていたしね・・・)

 

それが「ME AND MY GIRL」の東京公演くらいからだんだんかみ合ってきているように感じて、

公演が終わる頃には、「みりかのコンビいいじゃん!」っていう声も段々聞こえるようになり、

「金色の砂漠」は2人じゃないと絶対にできない作品だったと思うし、

その後にコンビを組んだゆきちゃん(仙名彩世さん)とのコンビはすごく安心感があったのと、

この頃からみりりんの「花男」・「花組トップスター」としての自信が見えるようになり、

組全体の纏まりや勢いを感じるようになったと記憶しています。(あくまでも私の感覚ですが)

 

 

ところで話は全然変わりますけど、私もそれなりに会社勤めも長くなりまして、

ここ2年ほど社内のマネジメント的な仕事にも足を突っ込んでいるのですが、

今の立場になった時に社内の勉強会で「チームビルディング」なるものを教わったんです。

 

チームビルディング:同じ1つのゴールを目指し、複数のメンバーが個々の能力を最大限に発揮しつつ、一丸となって進んでいくための組織づくりのこと。

 

これがですね、まあ話を聞いて自分が意識するくらいなら全然良いんですけど、

社内に持ち帰って自分の組織の中でこれを実現させるのってものすごく難しくて。

(もちろん自分の能力が圧倒的に足りていないことが何よりの原因だという自覚はある)

 

 

・・・どうして突然こんな話をしたのかと言いますと、

宝塚の「組」ってチームビルディングのモデルケースだよなぁ・・・って思ったからなんです。

 

チームには牽引するリーダーが必要で、その人がリーダーシップをどう発揮するかによって、

そのチームのパフォーマンスに大きな違いが出てしまう訳なんですけど、

このリーダーシップってのがかなり難しくて、

ただ自分(リーダー)の意見をトップダウン的にチーム内に下ろし、

リーダーの意向に沿った組織を作ればいいっていうものでもなくて、

チーム内から内部発生的に意見が出てメンバー全員が各々で目標を捉え、

メンバーの個々の力を結集しチームが一丸となれるように、

それぞれの能力や個性を生かしながら組織を作ることが、

チームビルディングにおけるリーダーに求められるものらしいのです。

(この辺の詳しい話はビジネス系コラムにわんさか書かれているので興味のある方はどうぞ)


そして、このリーダーにあたるのが各組のトップスターなんだろうなって思うんです。

でも「今日からトップスターです!」「リーダーとして組を率いてください!!」って言われても、

(元々そういう素質のある人もいるけど)誰しもが突然できるものでもないじゃないですか。

やっぱりそれなりの知識や経験だったり、仲間からの信頼やサポートがあってこそ、

リーダーは仲間を信頼し、目標に向かってチームを牽引できるのだと思うので。

 

でね、みりりんが花組のトップスターとして活躍した5年半は、

男役を追及し続けたタカラジェンヌ・明日海りおの成長を見てきた歴史でもあるけれど、

同時に、リーダーとしての成長を見た5年半でもあったんじゃないかなって思うのですよ。

 

もしかしたら・・・いや、おそらく歴代のトップスターさん皆がそうなのかもしれないけれど、

みりりんもトップスター就任最初は、理想とするチームの形や目標はあるものの、

組替えで来たことで遠慮があったりしてなかなかそれを仲間に共有できなくて、

必死でもがいて苦しんで、相当悔しい思いをしてきたんじゃないかなと思うんです。

(100周年の運動会の話とか、まさにそういうことなんだと思うの)

 

そんな中で、みりりんがずっと劇団の団体賞を取ることにこだわり続けていたのって、

自分自身の成長はもちろん、花組という「チーム」がどれだけ良いパフォーマンスができるか、

チームの中で、仲間がどれだけ充実感と誇りを持って舞台に立つことができるか、

この辺りのことを意識していたからに他ならないと思うんですよ。

 

そんなチームを牽引する役目を任された人間として、

タカラジェンヌとしての役割もしっかりと果たしながら、

その一方でチームのリーダーとして進むべき道筋を提示し、背中を見せ、

仲間と一緒に魅力を最大限に発揮できるチームを創り上げたからこそ、

「ポーの一族」やその後の作品の成功につながったんじゃないかなと思うのです。

 

 

男役トップスターって、常に作品の主役を演じその人の魅力で舞台をその人の色に染める、

「スター」としての役割を担う分、その人自身も魅力的であり続けなければならない一方で、

組というチームのパフォーマンスを最大限に引き出すべく、リーダーとして組織を牽引し、

次の世代のリーダーを育てる大変重要な責務も背負っている存在なのだと思います。

 

みりりんを含めた歴代のトップスターの皆さまは、私が思い描くリーダーとしての理想の姿。

スターの輝きや舞台の華やかさも宝塚の素晴らしい魅力でもあるけれど、

1人のフェアリーの生き様を見て学ばせてもらうことも、

数ある宝塚の魅力の1つなのだと、今この年になって感じています。

学生の頃には全く分からなかった宝塚という組織の魅力と楽しみ方を気付かせてくれた、

花組トップスター・明日海りおさんに、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。

 

 

1人のタカラジェンヌとして、また組を率いるリーダーとして全てを捧げてきたみりりん。

昨日のご挨拶で「本日をもって(トップスターとしての)任務を終えます」と言っていましたが、

この一言からも彼女がトップスターという役割をどう捉えていたのかが分かる気がしています。
 

スターとして舞台に立つ姿はとても魅力的で、たくさんの夢を見せてもらったし、

リーダーとして組を率いるみりりんからたくさんのことを学ばせていただきました。

 

背負った羽の重さに象徴される「トップスターとしての責任」という肩の荷を下ろして、

どうか今はゆっくり過ごして欲しいなと思っています。ハワイとか行かないのかしら・・・?

 

そして、伝統ある花組のトップスターを任された柚香光さん。

彼女が次世代のリーダーとしてどんなチームを創り上げるのか、

1人のファンとしてその過程も楽しみたいなと思っています。