前回からかなり間が空いてしまいました。
前回のblogでチラッとお話しした生業裁判のことについて書こうと思います。
まず生業裁判の説明を軽く説明します。
出来るかな…
「生業を返せ!地域を返せ!」
生業裁判というのは3.11の福島原発で故郷を追われた方々や、職業に多大な影響を及ぼされた方々が原告(約4000人!!)となって、国と東電に慰謝料を求めて闘っている裁判です。
これは決してお金で解決というわけではなく国と東電の責任を明らかにする、国と東電に過ちを認めさせる為に慰謝料という形で裁判を起こしています。
…合ってるか不安になってきました(笑)
あたしの説明よりも、ネットで「生業裁判」と検索した方が確実な情報を得られると思いますので気になったかたは是非!
10回期日、11回期日まとめてになりますが、私の思ったことも含めて皆さんに知っていただきたいことを書きます。
まず大体の流れを10回期日から。

私が傍聴させていただいたのは午後からでした。
まず裁判所に入って思ったこと。
…本物の裁判所やーーー
初めて入った裁判所はドラマで見たのと同じ配置で机と椅子が並んでおりました!
19才で裁判を傍聴することができるとは…
光栄でございました(笑)
というのはおいといて、
落ち着いてよく見てみると
原告席、被告席の様子が明らかに違うんですね。
あたしから見て左側。
皆さん前を向いてしっかりした目をしていらっしゃる!
時折和やかに会話をされていて、キリッとした雰囲気の中に温かさを感じました。
あたしから見て右側。
の…能面…。
真顔じゃないんです。無表情。
そしてほとんどの人が下を向いていて
なんか資料みたいなの見てたり、重たい雰囲気が流れてました。
はい、左側が原告の弁護士さん達で右側が被告の国と東電の代理人さん達です。
原告側は正義の目をしてましたね。
本当にかっこよかったです。
10回期日は証人の方に原告側が尋問するというものでした。
証人の方は原発の専門家の先生!
原発の仕組みや危険性について、原告の弁護士先生が質問して証人の先生が答える感じです。
うん、勉強になりました。
次に原発の放射線量の高い地域を示す地図の解説をもう一人の証人の先生に尋問して…
これは裁判官に説明する感じですかね。
10回期日を通して思ったのは
とにかく国と東電側の人たちの表情がなさすぎる…。
10回期日の後、弁護団の弁護士先生方と交流する機会があったのですが
被告側の代理人さん達と飲んでみたいねーという話が出たくらいでした(笑)
あの人達の素顔を見てみたいと(笑)
10回期日はこんな感じでした!
初めての裁判傍聴。
うん、いい経験になりました。
さて、時間を飛ばしまして11回期日です。
10回期日から2か月後ですね。

この日は証人の先生への反対尋問でした。
原発の専門家の先生へ被告側から質問します。
これは印象的なやり取りをいくつか紹介します。
東電側の代理人さんの質問。
国側の代理人さんからの尋問中の話で原発の危険性について明らかになったあとです。
「(今回の原発事故に関して)津波が来なかったらあの事故は起きてなかったと思いますか?」
「…まぁ、そうですね」
…そういう問題じゃないんじゃ。
"原発自体が危険である。
アメリカなどでは原発の50㎞圏内には人はすんでない、日本は目の前に住居がありながら安全と言っている"という話が出た後なのに、本当に切羽詰まってて粗探ししているんだなという印象でした。
福島原発は土地を20m掘り下げて作られているそうです。
水が流れ込んできやすい状況ですね。
なぜかというと建設当時の冷却水を海から引き上げるポンプの性能が発達していなかったので、水を引き上げやすいように低くして作ったとか…。
"電気は水に弱い"
3.11の震災の津波によって、福島第一原発は全電源を喪失しました。
問われているのは原発施設の水への対策だと。
完全防水にする必要があったと。
これをすごく感じました。
さて、尋問の内容に戻ります。
「(防水に関して)そういう法規制はありますか?」
「…なかったと思います」
あれ?これ墓穴掘ってるような…。
法規制がなかった、だから問題ない。
東電には責任がない。
なんて言い分通用しないんじゃないんですかね…。
こういう事故が起きた以上、防水対策が十分じゃなかったということが明らかになってるわけで。
んー。こんな発言ができてしまう東電。
恐ろしいですね。
国と東電の大きさを再認識しました。
「こういった防水対策について、(福島原発の)防水対策が万全でなかったということを震災前に発表していましたか?」
あれ…責任転嫁するつもりじゃ…ないですよね?
全体的に国と東電側が粗探ししている印象の尋問でした。
後半は腹が立って裁判所内が暑く感じましたね(笑)
大体の内容はこんな感じです。
メモはしてきましたが内容の誤差は少なからずあると思います。
でも、あくまでもあたしの印象で話してますので、感じたままに文にしてますのでどうかお許しくださいませ。
そして、どうしても書き残しておきたいことがあります。
11回期日の後、弁論(?)といって
後々の裁判の証人を決める話し合いがあるのですが、
原告(実際に被害に合われた方々)の証言のため、
本人尋問を35人にしますと原告側が要求しています。
しかし被告側これを拒否。
そんなに多くなくていいと。
多くて十数人で十分だと。
これに対して原告側の弁護士先生の一人が反論の意見書を法廷で読み上げました。
この事故で被害に合われた方は、
職業、家族構成、住んでいた(住んでいる)地域によって被害の状況が大きく異なり、その証明のためには35名の証言が必要である
と。
本当はもっと長いんですが、特に印象的だった部分を。
最初は落ち着いて意見書を読み上げていた弁護士先生、途中は怒りからか涙ぐみながら反論の文を読まれていました。
私も少しもらい泣き、そして怒りが込み上げてきました。
自分達の作った原発で事故が起きた
責任を認めない。
謝らない。
ちゃんと対応しない。
この裁判をいろんな人に知ってほしい。
応援してほしいと改めて思わされました。
…しかし、こんなに善悪がはっきりしてるのに
被害に合われた方々の悲痛な叫びが目の前であげられているのに
国と東電の代理人の人たちは心動かされないんだろうか。
何も感じないんだろうか。
すごく不思議でした。
毎回裁判が始まる前に行進をしています。
裁判所の前までたすきをかけて、横断幕をもって。
それを裁判所の職員さんが見ています。
行進している人数をカウントしています。
次回の期日は5/19です。
時間は何時だっただろう…
後で更新しますね!


お時間合う方はぜひ参加してみてください!
毎回裁判が終わるまで文化センターで
裁判に関する催し物をやっています。
そして裁判が終わればそこで報告会があって、その日の裁判について弁護士先生が解説してくれます。
裁判傍聴は人数の関係上難しいのですが(その中で2回も傍聴させていただけたあたしは幸せ者です)、
ぜひ、福島原発問題に関わってみてください。
はぁ!長かった(笑)
では、今回はこれで(^-^)
長文でしたが、最後まで見ていただきありがとうございました!
