鎌倉幕府が制定した法令に、「鎌倉中」で「小町屋」と「売買設」を指定した建長三年(1251)のものがあります(『中世法制史料集』第1巻所収、鎌倉幕府追加法272条)。
前から気になっていたので、せっかくの「湘南シリーズ」のついでで、関係する場所を少し廻りたいと思いましたニコ

建長三年十二月三日戊午、
鎌倉中在々処々小町屋及売買設之事、可加制禁之由、日来有其沙汰、今日被置彼所々、此外一向可被停止之旨、厳密触之被仰之処也、佐渡大夫判官基政、小野沢左近大夫入道光蓮奉行之云々、
 鎌倉中小町屋之事被定置処々、
  大町、小町、米町、亀谷辻、和賀江、大倉辻、気和飛坂山上、
 不可繋牛於小路事、
 小路可致掃除事、
    建長三年十二月三日 

小路で牛を繋いではいけないとか、小路を掃除せよとか、おもしろいなと思うのですが、町屋の許可エリアについては、文永二年(1265)にも町屋を許されたエリアを指定した法令(追加法428条)が出ていて、「町御免所之事、一所大町、一所小町、一所魚町、一所穀町、一所武蔵大路下、一所須地賀江橋、一所大倉辻、」とあって、場所に少し異同があって、仰せつけられたのも「地奉行人小野澤左近大夫入道」だけになっています。

今回は、「大町、小町、米町」あたりを巡ってみますマリオ


滑川と交差して小町大路がクランクするところに建つ本覚寺FM3A


その本覚寺前にある夷堂橋。
この夷堂橋以北が法令に見える「小町」で、以南が「大町」と呼ばれるらしい。

大町を南へ歩いて行きました。

夕暮れ時の町並みマリオ
鎌倉時代には、町屋が許可された商業の中心地として賑わっていたらしいニコ



やがて[大町四ッ角]交差点へルイージ
写真では、名越切通の方からバスが走ってきていて、古東海道ではないかとも言われています。

この辺りまで、町屋が許可され、賑わっていたという事なのでしょうニコ

今回はここまで。

20160127 小町大路、鎌倉市
鎌倉幕府法 (中世法制史料集 1)/岩波書店
¥8,208
Amazon.co.jp