ふと思った。
図 の点線の中に台風が存在する確率が70%らしい。ということは、天気を予測する方程式(おおもとはナヴィエ・ストークス方程式)に確率項を入れて計算してんのかな?
運動方程式に確率項(ランダムフォース)を入れて計算した結果で、物体は影がついている領域に68%の確率で存在します。↑の図とよく似ているでしょう。
気象庁のHPをよく読んでみると
http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/index.html
ちゃんと書いてありました。
「数値予報では、わずかに異なる2つの初期値から予報した2つの予報結果は、初めのうち互いによく似ているが、その差は時間の経過とともに拡大する。数値予報の初期値には観測誤差は避けることはできず、これが時間とともに増幅するためである。これは、数値予報モデルや客観解析の精度の問題だけではなく、大気の基本的な性質によるものである。このように初期値の小さな差が将来大きく増大する性質はカオス(混沌)と呼ばれている。 大気のこのカオス的な性質に対処するため、「集団(アンサンブル)予報」という数値予報の手法が研究・開発されるようになってきた。これは、ある時刻に少しずつ異なる初期値を多数用意して多数の予報を行い、その統計的な性質を利用して最も起こりやすい気象現象を予報するものである。」
前半に書いてあるカオスというのはしばしば
「北京で蝶がはばたけばニューヨークで嵐が起こる」
などと標語的に言われ、大雑把に言うと、ほんのちょっと状態がずれると、後々とんでもない影響を及ぼす、というものです。天気の計算を行う上で、観測したデータと現実の状態には必ずギャップがあるので、このギャップが予想と現実のとてつもなく大きなずれを引き起こします。どんなに科学が発達してもこの観測誤差は一定以上には小さくならないため、天気予報の精度も限りなく良くなることはなく、2週間先まで予測するのが限界だろうと言われています。
後半に確率の話があって、例えばある量の観測データが 10 だったとしたら観測誤差を考慮して 9, 10, 11 について計算をして平均とか分散を求めるということですね。確率項を入れて直接解くのとはちょっと違うようですが、ほとんど同じ結果が出ると思います。
(難しい話) 微分方程式には「解の初期値に関する連続性定理」というのがあって、簡単に言うと初期値をちょこっと変えると結果もちょこっとしか変わらない、というものです。これはカオスと矛盾しているようですが、注意しないといけないのは、連続性定理のほうは初期値の変化が理想的に十分小さいとき、の話です。いかにカオスと言えども、観測誤差を理想的に十分小さくできれば、この定理により非常によい結果が得られます。しかし現実には観測誤差はある程度の大きさを持ちうるのです。