前回のつづき。

 

胸にあった謎の塊は

少しずつ消えていった。

 

 

それと比例するように

ツインさんから飛んでくるエネルギーが

なんだか力強くなってきていた。

奥底からパワーがみなぎってる感じ。

ツインさんに何か起きたのだろうか?

 

 

それと同時に

私のほうもツインさんを信じる力が

さらに強くなった。

 

目の前のことに

すっかり夢中になる時間が増えた。

 

 

例えば

 

遠く離れた人のことを

元気にやってると信じてたら

めったに思い出さなくなるように。

 

逆に

心配だったり

信用できない部分があると

ずっと気になって連絡を取ってしまうみたいに。

 

今の状況は

それに似ているんだと思う。

ちゃんとツインさんを

信じることができたら

自分のことに夢中になれるんだと思う。

 

 

で、ここ最近の大変化は

そんなときにやってくる声のこと。

 

 

頭の中でツインさんが

私を呼ぶ声が聞こえるの。

もしくは、ツインさんの姿が目の前に

ぼやっと現れる。

 

ほんと、不意にやってくる。

 

 

前までのテレパシーは

ツインさんの声が一方的にこだまする

のが多かったんだけど

 

私が「助けて」と

叫んでしまって以来

 

いつの間にか

会話ができるようになってしまった。

 

 

最初は

頭がおかしくなったのかな

妄想かなと思ったけど

どうも違う。

 

そう確信したのは

こんな出来事があったから。

 

 

 

 

ツインさんとは

あれからパッタリ会わなくなっていた。

 

向こうは私の姿を見かけてるだろうけど

私からは本当に、ツインさんの姿を見ない。

道のど真ん中で笑顔で挨拶されたっきり。

 

 

ある日、ふと電波で

会いたいなぁと言ったら

即座に

「会いに行けないですね」

と返されて凹んだ。

 

臆病だもんね、っていう脅しは

もうききませんよ

とまで言われた。

 

そっか、あの時も会話ができてたのか。

それって、ちょっとずつ

テレパシーが強くなってるってこと?

 

 

何だかんだ話して

最終的には

「とにかく行きませんから!」

とぴしゃり。

 

……案外、はっきりしてるなぁ。

 

期待を持たせちゃいけませんからと

ツインさんに言われた。

 

 

……ふーん。

確かに私も、そう言われたほうが

帰り道に会えるかもなんて

期待しないもんね。

 

 

だけど、ショックだった。

ただ、会いたいなって

思っただけだよ。

ただそれだけなのに……。

 

 

 

帰り道。

 

 

いつの間にか

悲しみが爆発しそうになっていた。

姿さえ見ないのも原因かもしれない。

 

なんだか全てを

吹っ切りたくなったんだ。

 

私、ノイローゼなんじゃないかな?って。

こんなに会話できるもんなの?

おかしくない?

もう、もう、全てを頭から消したい!

だって、好きなら会いにくるでしょう?

私、色々ありすぎて

頭がおかしくなったんだよ、きっと!

 

 

頭を空っぽにしたくて

片耳のイヤホンで

激しい音楽を聴いた。

 

泣きそうになりながら

がむしゃらに

自転車をこいだ。

 

 

そしたら風が強くなってきて

どんどん空が黒い雲に覆われ始めたんだ。

 

 

急いで家路へ向かう。

だけど間に合わずとうとう

横殴りの雨がふりだした。

 

 

なんでよ、なんでこんな時に!!

 

そしたら

ふっと思い出したんだ。

 

ついこの前

子供を迎えにいったときのこと。

小さな男の子の言葉。

 

 

その時も強い雨が突然降ってきて

私自身、

全てが信じられなくなってた時だった。

 

目の前にいた小さな男の子が

お母さんに言ったんだ。

 

「あ、神様が怒ってる」って。

 

その時も

そっか、私、間違ってるんだって

気付かされた。

 

 

……ってことはもしかして

この雨も

神様が怒ってるの?

 

怒ってるってことは

……現実ってこと?

ノイローゼじゃないってこと?

そういうこと?

 

 

少しだけ信じてみようかと

思い始めた時だった。

駐輪場で

自転車を停めようとした手が止まった。

 

イヤホンから

聞いたことのない音楽が流れ始めたんだ。

AIが勝手に選曲した曲。

 

 

「どんなに打ちのめされたって

悲しみに心をまかせちゃだめだよ。

 

君は今逃げたいっていうけど

それが本音なのかい?

 

僕にはそう思えないよ。

心を不安にしちゃだめさ。

 

あきらめないでどんな時も

君ならできるんだ」

 

 

 

神様に引き止められてる気がした。

ツインレイの道、頑張りなさいって

背中を押されてるような気がした。

 

 

そのあと

家に帰ってすぐだった。

 

うちの天使ちゃんに話しかけられたんだ。

何気ない話題だった。

ちなみに天使ちゃんは今、ツインさんと

関わりもない。

 

なのに、天使ちゃんの口から

またツインさんの名前が飛び出したんだ。

 

帰ってほんと三分もたっていなかった。

 

 

 

 

ああ、もうわけがわからない。

そんなに後押しされるなら

信じるしかないのか。

 

それに信じないと

ツインさんの声は聞こえないって

知ってる。

 

 

 

もう一度、信じてみようと

思った瞬間だった。

 

 

 

 

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!

 

頭の中に

めっちゃ早口の声が勢いよく響いた。

 

 

どうやら私が暴走してるのも

わかってたみたい。

後からわかったけど

ツインさんの方がテレパシー能力が強いらしい。

何かと私の気持ちは受信されてるみたい。。。

 

 

しょうがないよ。

ツインさんにも

色々都合があるんでしょ。わかってる。

 

私がそういうと

 

最終的にはただ単純に

勇気がないからだと

ツインさんは答えた。

 

こういうことがあって

私は再び、テレパシーを

信じるようになったんだ。

 

 

それに

ツインさんも妄想だと

思うことがあるらしい。

 

だって、カスタさん、

全然、僕のほう見ないでしょ。

本当に僕のこと好きなのか、妄想なのか

迷う時ありますよ、と。

 

確かに、私、ツンデレだもんね。

 

 

 

 

 

ツインのパターンは

十人十色。

 

大まかな流れは一緒だろうけど

その人の個性や特性で

色々変わるんだと思う。

 

 

ネット上の項目に

自分が当てはまらないからといって

ツインじゃないとは限らない。

 

 

大事なのは

自分が感じたことを

自分が信じてあげること。

 

 

十人十色の中に

自分もいるんだと思えば

胸を張っていいんじゃないかと、私は思う。