2015/6/29(月) 午前 4:46



おいしいブッシュミートのカタログ





肉の話が続いていますが、今回はアフリカの料理人に教わった
「おいしいブッシュミート」とはです
これくらい使い道のない情報も珍しいけどね。


KUDU(クドゥ)

イメージ 1

やっぱりこれが筆頭に出ました。
うっすらレバー的風味というか、独特の味がくせになります。 
私自身も、もう一度食べたいもんね。


オリックス

イメージ 2

脂肪が少ないのに、とにかく美味しい「牛肉」です。
私のいちばんのお気に入り。


バッファロー

イメージ 3

そりゃ牛だもんね。私は食べたことがありません。


スプリングボック

イメージ 4

普通に美味しい「牛肉」らしい。


インパラ

イメージ 5

食べたことないけど美味しそう。ライオンの好物だしね。


エランド

イメージ 6

ここまでは、みんなウシ科ですからね。そりゃあ美味しいでしょう。


シマウマ

イメージ 7

まあ馬肉ですから。
一口食べたことがありますが、少し固めな肉でした。



イメージ 8

象は賢いので、畏敬の念をもって食べない部族もあるそうですが、
やっぱり美味しいんだって。



イメージ 9

「ピグミーは猿肉が好き」なのだそうです。
「試しに食べてみたら、すごく美味しかった」そうです 。
顔が美味しいとか、手が美味しいとか、いろんな話を聞きます。
大昔は東南アジアの市場でも、普通に猿肉を売っていました。
皮を剥いた手が並んでいて、驚いたことがあります。

ワニ

イメージ 10

オーストラリアではワニ肉を買うのは簡単です。普通にチキンの味。
恐竜(爬虫類)が鳥になったってことを、味が証明してします。



イメージ 11

「亀はうまいぞ~」とニコニコ。
うん大昔はね、東南アジアのどこでも海亀の肉が食べられていて、
 一時期ハマっていました。
中国なんかでは、どんぶりから半身乗り出すサイズの淡水亀を、
甲羅ごと スープ煮にしたヤツとか美味しかったよ。


コリ バスタード

イメージ 12

アフリカを代表する最大の鳥。
見た事はあるけれど美味しいというのは驚きでした。
しかし、ここまでくると心境複雑。


以上、アフリカを代表する50の生き物のカタログを見ながら
教えてもらったものです。 
もちろん、人工繁殖したもの以外は捕獲禁止で、普通は食べられません。


彼に人工繁殖させたブッシュミートを食べた話をすると、
「いいなあ、でもそういう人工繁殖は、白人でなくちゃできないなあ」
という反応。
また、ワニ皮をとるためのワニ牧場はいっぱいあるけど、
普通はその肉が市場に出て来ることはないそうです。 
「オレ達は食べたいけど、安くないと買えないから」だって。


こういう話を聞いて思うのは、「野生動物を保護すれば観光資源になり、結局は地元にその利益が還元される」という、あたりまえのように言われている経済論理が、すごく一方的で押し付けがましい ということです。


お金だけで言ったらその通りです。
でもね、例えば我々日本人は、マグロやウナギ、そしてカニの漁獲量急減少という問題に直面してい ます。 
こういうものの捕獲の規制を巡っては、中国あたりから
「日本が散々捕ったから少なくなっちゃった んだろう」
というようなことを言われています。 
感情的には腹が立ちますが、実際はその通りです。


そういう状況の中で、我々はマグロやウナギを食べるのをやめるということは、まったく考えていません。 捕獲量をセーブして、なんとか人工繁殖できないかと研究しています。 
お金は誰もがありがたがりますが、その使い道として「美味しいものを食べたい」というのは、人間の根源的な欲求です。


もちろんこれは、豊かな国の贅沢な欲望です。
そして野生動物の保護は、人類の義務です。


しかしアフリカは豊かになりつつあります。 
そのアフリカならではの食べ物は? 食文化は? と考えると、
金を払うから食べることを我慢しろとだけ言うのは、
やはり上から目線に感じるんですよ。


野生動物の保護に関しては、多くの研究者やボランティアがアフリカに渡っています。 彼等は人手も予算も足りないなかで頑張っています。 いまはとにかく保護が最優先です。


でも、もう少し未来を考えたときに、人工繁殖による肉の供給というのも、
ほんの少しでいいから考えられないかなと思ってしまうわけです。


アフリカが内戦だらけになり、大量の難民が発生し、
彼等が野生動物を食べ尽くしてしまったのも、
もとはと言えば西洋の思惑で資本がなだれ込んだためです。 
いまもアフリカの資源の獲得をめぐって、そういう流れは変わりません。


「教育が重要で、彼等も自分たちの利益になることを理解すれば、野生動物を捕ることがなくなる」
と言われていますが、その言葉の中に現地の文化の尊重というのは出て来ません。


私はいつの日か、豚を飼ってみたいと思っています。
犬のように利口と聞いているからです。 でも豚肉も大好き。
動物好きというのは、この大きな矛盾の中で生きています。 

だからマサイのライオン狩りも、ブッシュミートも、
基本的には肯定したいんです。 
その是非と、絶滅しかけている動物の保護とは別問題で、
マサイがライオンと戦えるくらい、ライオンが増えて欲しいと思っています。


そんなことを言うと戯言(たわごと)になっちゃうくらい、
現実が逼迫しているのも、重々わかっていますよ。 
ただね、アフリカの人々の個々の顔を思い浮かべると、
もう少し彼等寄りの視点があってもいいんじ ゃないかと思うわけです。


「どのブッシュミートが美味しいのか」。
これについて語れるということは、
彼、または誰かがその動物を捕って食べたことがあるということです。

しかし、そういう知識を誰も持っていない土地にすることが理想的なのでしょうか。