皆さん、かなりご無沙汰です！
今日はちょっとしたミステリー風のテイストでお楽しみください（笑）
タイトルは「高橋宏征サンペンス しらさぎ・北陸新幹線連続殺人ルート～殺意の岩瀬浜海岸～」です！
それではスタート！
愛知県警の高橋警部は、部下の吉川刑事と一緒に石川県警での会議に出席するため金沢へに行くことになっていた。
名古屋駅で合流した2人は名古屋7:36発のひかり495号に乗車した。
その車内で最初の事件は起きた。
名古屋を出発しておよそ20分。
列車が岐阜羽島を出発した直後、女性の悲鳴が・・・。
女「キャーーーーーーーッ！！！！」
高橋警部と吉川刑事はすぐに駆けつけた。
そこにはチューハイの缶を握りしめた男性の死体があったのである。
高「今からこの車両は出入り禁止にします！皆さん、他の車両に移動してください！」
吉「警部、口元からアーモンド臭がしますね。おそらく青酸カリによる中毒死でしょう。」
そこへ悲鳴を聞いて駆けつけた車掌がやってきた。
車「どうしましたか？」
高「愛知県警の高橋です。車内で男性の死体が発見されました。次の停車駅は米原でしたね？」
車「はい、そうですが。」
吉「では、すぐに鉄道公安官と滋賀県警に連絡を取って米原で列車をしばらく停車させてください。」
車「分かりました。すぐに連絡を取ります。」
高橋と吉川は第一発見者の女性に詳しく話を聞いた。
第一発見者の女性の名前は河村遥瑠。
なかなかの美人である。
河「私は岐阜羽島からこの列車に乗ったんですけど、隣に座ってた男性が急に苦しみ出して・・・。」
高「車内で不審な人物とかは見ませんでした？」
河「特に気がつきませんでしたわ。」
吉「この男性はあなたのお知り合いですか？」
河「いいえ、全く知らない人ですわ。それで、私急にこんな事が起こったので事の一部始終を写真に収めたんです。必要ですか？」
高「本当ですか？もしかしたら不審な人物とかも写ってるかもしれません。大いに役立つと思います！」
時間もなかったので、携帯にメールで送ってもらうことにした。
河「はい、そうです。」
高「おそらく貴重な資料になると思います。ご協力ありがとうございました。」
河「どういたしまして。」
そうこうしている間に列車は米原に到着。
鉄道公安官と滋賀県警の刑事に引き継ぎをし、2人は米原から特急しらさぎに乗り換えた。
2人が乗車したのは米原8:09発のしらさぎ51号。金沢まではおよそ2時間の旅である。
その車中で1本の電話が。
滋賀県警からだった。
滋「やられました！死体がどこにもありません！！」
高「何ですって？？死体が消えたんですか？」
滋「我々がデッキで今後の対策を話し合っている数分の間にやられました！被害者は石川県の人間と判明したので、もしかしたらそれを知った犯人が金沢に運んでるのかもしれません。」
高「分かりました。石川県警と協力して探してみます。念のため北陸地方全域で死体を徹底的に探すように指示しておきます。」
吉「どうされたんですか？」
高「列車の中から死体が消えた。」
吉「え？」
高「被害者は石川の人間だったみたいで、もしかしたら犯人が新幹線からおろして運び出したかもしれん。」
吉「そうですか。」
死体の場所が判明したのはしらさぎが金沢に到着する少し前だった。
富山県警から岩瀬浜海岸で例の死体を発見したとの連絡が入ったのだ。
高橋と吉川は石川県警に一報入れて、岩瀬浜海岸に向かった。
金沢でしらさぎを降り、金沢10:31発のはくたか560号に乗り、富山からは富山ライトレールで岩瀬浜へ。岩瀬浜から発見現場までは徒歩約5分。
すぐに現場に到着した。
富「どうですか？」
高「間違いないです。新幹線の車内で発見された死体です。」
すぐに現場検証が始まった。
石川県警での会議の時間が迫っていたので、現場検証を富山県警に任せ金沢へ急いだ。
その帰りに新幹線の車内で高橋と吉川の横に座った1人の男。
2人が被害者の写真を見て話をしていると、
男「この人1週間前に見たぞ。」
高「本当ですか？」
男「おう。俺は岩瀬浜海岸で海の家経営してるんだけどよぉ、この人客としてうちの店来てたぞ。」
吉「その時はどんな様子でした？」
男「うーん、なんか思い詰めたって感じがしたけど。」
高「ありがとうございました。」
そうこうしているうちに列車は金沢に到着。その直後だった。富山県警から岩瀬浜海岸からまたしても死体が消えたと連絡が入ったのは。
吉「一体どうなってるんですかね？」
高「俺もさっぱり分からんよ。」
石川県警での会議を終えた2人は時間があったので21世紀美術館に行ってみることに。
そこに向かう途中にまたしても有力な情報が入った。
高「犯人はどうやって警察の目をかいくぐって死体を移動したんだ？」
吉「そうですね。」
とちょうど、その時だった。
後ろの女性が写真を見るなり、
女「この人1週間前に21世紀美術館で見ましたよ。」
吉「本当ですか？？」
女「ええ。」
吉「警部、被害者は1週間前に立ち寄った所で今回死体が発見されています。となれば、次は犯人が21世紀美術館に死体を運びに来るんじゃないですか？」
高「そうだな。到着したらすぐに館内を探そう。」
到着後すぐに館内を探す2人。
高「ここからは、手分けして探そう。」
吉「はい。」
そして数分後、
高「吉川！！」
吉「はい！」
ついに死体を発見したのだ。
高「館内にまだ怪しい人物がいるかもしれない。急いで探そう！」
吉「はい！」
と言った瞬間、窓ガラス越しに大きなスーツケースを持った女が歩いているのが見えた。
高「吉川！追え！！俺は死体が消えないように見張る。」
吉「了解！」
女を追いかける吉川刑事。
それに気づいて逃げる女。
吉川刑事が中学時代に陸上で鍛えた駿足で女の身柄確保。
なんと、女は最初の事件の第一発見者の河村遥瑠だった。
吉「どういうことだ！」
河「すべて私がやりました。」
吉「それは無理だね。被害者は1週間前に立ち寄った所で今回、死体が発見されている。立ち寄った場所は警察内部の人間しか知らないはずだ。」
河「・・・」
吉「すべて正直に話してください。誰から情報を聞いたんですか？」
河「それは・・・。」
吉「それは？」
河「高橋警部です。」
吉「おい、嘘をつくと偽証罪になるぞ！」
河「嘘じゃありません！私と警部は共犯です！」
吉「まさか・・・」
吉川刑事は言葉を失った。
まさか自分の上司が犯人だなんて。
でも、この女が此の期に及んで嘘をつくとも思えなかった。
吉川は高橋に内密で事件の捜査をすることにした。調べると次々に高橋が犯人である証拠が出てきた。
吉「警部、ちょっとお話しがあるんですが今いいですか？」
高「なんだね？」
吉「2人で話したいのでどこか人目のつかない所で話しませんか？」
高「分かった。」
吉「警部、今回の事件の真相が分かりました。そして、犯人も。」
高「犯人は誰なんだ？」
吉「犯人は・・・高橋警部、あなたです！」
高「何を馬鹿なことを言ってるんだ？」
吉「いえ、犯人はあなたしかいません。証拠もあります。河村遥瑠が全部自供しましたよ。」
高「そんな馬鹿な・・・」
吉「警部、自首してください。」
高「吉川、警察まで一緒に来てくれるか？」
吉「もちろんです。罪をきちんと償ってください。」
高「ありがとう。」
～ 完 ～
※長文失礼しました。
※この作品はフィクションです。
