「ぼくは物事をむずかしく考えすぎていたんだ」と奥がやっと少し気付けたできごと(前編)
奥 武志です、
「誰だって1つくらいはできることが必ずある」と奥が人生で初めて気付けた一言(後編)の続きをかきますね。
おくが、過去に経験してきた事件やできごとを、リクエストにお応えして、おとどけしています。
おくはなぜ、「どんなに自分に自信がないと思っても、必ず変われるんだよ。」と断言するのか?
可能性を信じて続けて応援し続けられるのか??
その答えはシンプルなんです。
それは、
おくはあなたと同じように、へこみながら生きてきたから。
たとえば、もしおくが、「日本一の売上を達成!」とか、「日本一の店長の称号を手にした!」みたいなカリスマだったり情熱溢れるスーパーサービスマンだったなら、へこみながらがんばっている人のきもちは、わかりにくいでしょう。
当たり前ですよね。
でも、おくはそうでなく、ありふれた普通に人間、、、どころか、
むしろ自分に自信がなく、物心ついたころからずっと、「自分は生きる意味も価値もないんじゃないのかな?」と思って生きてきたんです。
たとえば、一般的に接客向きと言われるのは、どんな人でしょうか?
「積極的、社交的、楽観的、前向き、プラス思考、いつも朗らか、器用、気が利く、感性豊か、行動的、タフ、情熱的、肯定的、夢がある、プライドを持っている」
ですが、おくは子供のころから言われていたのは、、、
「消極的、内向的、悲観的、後ろ向き、マイナス思考、いつも弱気、不器用、気が利かない、鈍感、引っ込み思案、臆病、冷めている、否定的、夢が見つからない、変なプライドしかない」
見事なまでにぜーーんぶ、ぎゃく。
「だから自信がない、、、」で育ってきました。
これはもう、、、物心ついた頃からかなぁ。
他にも、
・考えすぎてしまう
・計画しても行動できない
・何をやっても時間がかかる、遅い
・自分が出せない
・すごい人を見ていちいちへこむ
・困っても誰にも甘えられない、相談できない
・向いてないとばかり思う
・明るいフリしてて妙に冷静な自分がいる
そんなことを大人になっても、ずっと思いながら生きてきました。
うそっぽいでしょ??
でも、ほんとなんです。
信じてもらえなくても、そうだったので仕方ありません。
じゃあ、そういう人間だったのに、
なぜ、接客を20年近くもやってこれたのか?
なぜ、接客カウンセラーとしてみんなを支援しているのか??
不思議に思うかもしれません。
実は、そこに行きつくまでには、【きっかけ】がいくつかあるのです。
だから、その「過去のおはなし」をして、あなたにおくの過去を知ってもらいたいとおもっています。
“結末”だけを見たら、「なーんだ。奥さんはそうしてチャンスを掴んできたんじゃん!」と思うかもしれません。
でも、“過程”に着目しながら読んでほしい。
結末だけで判断するのなら、むしろ読まないほうがいいと思います。
「おくさん、そんなだったの?どうやってそこから変わってきたの?」
という“過程”のお話を、あなたが真剣に読んでくれたなら、きっと、あなたの役にたてると信じています。
そんな接客に向かないと思ってきたおくが、「VIP専属担当バトラー」をやることになったきっかけのお話をします。
それは、ルームサービスで働いていたある日のできごとでした、、、
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「今度、バトラートレーニングがあるらしいよ」
先輩が口にしました。
バトラーは、“執事”の意味で、宿泊するお客様の専属担当として、身の回りのあらゆるサポートをするお仕事のことです。
当時、ぼくがいたホテルでは、バトラーは、ホテルの花形であるコンシェルジュがやっていました。だから、「バトラー=花形の花形」として見られていました。
とてもとても、ぼくとは似つかわしくない世界。
遠い世界のこと。
そのバトラーのプロをイギリスから呼んで、専門的なトレーニングをするというのです。
(うわ!すごいな。本場のバトラーを呼ぶのか、、、)
ぼくは一瞬、興奮しました。でも、
(まあぼくには関係ないや)
とも思っていました。
ところが先輩は、そのあとこう言いました。
「コンシェルジュ以外でもトレーニングに参加できるらしいよ」
え??
ドキッとしました。
「自分には関係ない」と思っていましたから、自分も参加できることがわかったら目の前に突きつけられたチャンスに足がすくんでしまったのです。
(ぼくにも受けるチャンスがある?)
(でもぼくなんて受ける資格がない)
そのはざまで、葛藤している自分を認めることすら受け入れたくありませんでした。
(バカ。おまえは無理だよ。なに一瞬、興味もってるの?)
(身の程知れよ。やめとけって)
そう言っている自分がいました。
だから、考えることをやめました。
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数日後、公式に発表がありました。
【英国バトラー養成校のロバートワトソン氏招聘決定!】
掲示板に書かれたその文字は、なんだかとても、キラキラして見えました。
(きっと、向上心のあるひとたちは、みんな興味津々なんだろうな、、、)
ぼくの中には「変わりたい」というきもちもありました。
でも、
ぼくの中には「どうせ変われない」というきもちもありました。
どうしたいの?
やりたいの?
やりたくないの?
変わりたいの?
変わりたくないの?
自問自答であたまがいっぱいです。
(でも、受ける自信がない。ついていける自信がない)
(だいたい、トレーニングを受けたからって本当に変われるの?)
(みんなはステップアップしても、ぼくだけステップアップできなかったらカッコわるいぞ)
トレーニング期間は一週間。きっと毎日あたまがパンクするほど、すごい高度な接客スキルを山ほど教わるんだろう。
そんなのついていけないよ。無理むり!!
そんなことを、帰り道、ご飯たべながら、シャワーを浴びながら、テレビを見ながら、
仕事しながら、、、
ずっとずっと、考えました。
いっぱいいっぱい考えました。
いえ、、、
思いこませて、自分を諦めさせようとしていたのかもしれません。
でも、
仕事ではミスをするし、接客はまだまだ下手っぴで、思うようにできない、へこんでばかりの日々、、、
うーん、、、思うようにできない、、、できないから、余計なことはやらないほうがいい。
けど、
できないからやらないんじゃなくて、できないからやるんだよな。
できるならやる必要ないんだから。
と、理屈ではわかっていました。
理屈ではわかっているのに、行動できない。
前にすすめない。
ぐるぐると、同じことを何度も何度も考えているうちに、、、
なんだか、「観念した」ようなきもちになってきました。
「決意した」なんてカッコのいいものではありません。
「夢に向かって」なんてたいそうな目的もありません。
ちっとも自信はありませんでしたし、「一流のサービスマンになってやる!」なんていう立派なビジョンもありません。
ただ、、、
やっぱりこんなにできない自分のまんまでは、ぜんぜん楽しめない。
それがイヤだった。
情けなくて、情けなくて、、、
ただ、それだけでした。
(ついていけなかったら、笑われるんだろうな)
(あまりにもできなかったら先生から笑われるかもな)
そんな弱気なじぶんは、相変わらずいました。
そのきもちは、払拭はできずにいましたから、参加表明をマネージャーに伝えるまで、ずーーーっともやもやしたままです。
でも、なんとなく、、、
「受けます。」
うわーーー、言ってしまいました。
(言っちゃった!!やっべーーーどうしよう、、、)
ドキドキです。
心が不安でぞわぞわ、いっぱいです。
緊張して、あたまがボーっとします。
不安で不安で、胸がはちきれそうです。
でも、今さらやっぱりやめますなんてもう言えません。
逃げたいきもちで落ちこみそうになりましたが、逃げ場はなくなりました。
(本当に良かったのかな、、、)
(やっぱり間違ってたんじゃないかな、、、)
そうモヤモヤしたまま、バトラートレーニングの日は、刻一刻、近づいていきました。
朝から晩まで、一週間。
ふだんの仕事はいっさいやらずに、トレーニングに集中です。
ついていけるのだろうか、、、
いったい、何を教わるのだろうか、、、
余計に自信を失ってしまうんじゃないか、、、
少しの期待はありましたが、その何倍も、何十倍も、おおきな不安をかかえたまま、トレーニング初日が、足音を立てて迫ってきます。
そのときは、バトラートレーニングでは、「高度な接客スキル」を教わると思っていました。
だって、英国から、プロのバトラーの先生がくるのですもん。
そんなすごい人に教わった事なんてありませんから、どう考えても、ダメダメでついていけない自分しかイメージができません。
なのに、、、
まさか、あんなことを教わることになるなんて、予想もしていませんでした。
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つづく、、、
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