前回、ミスを頻発する同僚の話を書いたが、
今週もてんこ盛りのミスをやらかしてくれた。
昨日までは、ある意味「笑えるレベル」であったが、
ちょっとしたことがあって今日はやかんが沸騰するくらい
怒りが頂点に達してしまった。

昨日までのミス。
アナリストたちから外部との会議を行うために
私たちのチームに会議室の設定の依頼がメールで届くのだが
この人、仕事を完結せずにほったらかしなのである…。
基本、仕事が完結したら「このようにアレンジしましたよ」
という確認メールを依頼者に出すのが礼儀だと思うのだが、
依頼者から「この会議のアレンジ、やってくれたかな?」
と催促のメールがしょっちゅう届くのに気づいた。

「外部のお客様登録をやってもらえたかしら」
「飲み物とサンドイッチのオーダーをしていただけたかしら」
さらには「数日前に頼んだ会議室は予約してくれたのかしら」まで…。

全部、彼女が手をつけた仕事なのは明瞭なのだが、
本人はまるで気にしていないのである。

何をどこまでアレンジしているかなんて
アレンジした本人じゃないと分からないと思うのだが
本人は最後まで仕事を完結させようという気がないのか何なのか、
ぐちゃぐちゃである。
本人はいたって平気みたいで、シラーっとしている。

そしていつものように人の3倍のスピードで仕事をやるのであるが、
多分2割の確率でミスをやらかしてる。
そしてそのミスも、完結してないぐちゃぐちゃの仕事の後始末も
周りの私たちがあたふたしながらお世話する羽目になるのである。

しかも、依頼者からの「この仕事やってくれたかな?」というメールを見て
「こんなん知らん。キャシー、あんたこの仕事触ったんか?」
と目ん玉が飛び出しそうになるような驚くべきことを言い出す。

私はあんたに老婆心で、
「こんなメールが依頼者から来てるけど、
どこまで仕事が進んでるか教えてあげてね」って
「き・の・う」メールしましたよね。

と、ここまでは「こんなアホも金融業界におるんやな」
で日中笑いがこみ上がるのを我慢する程度で終わっていたが
今日はさすがに「笑い」じゃなくて「怒り」がこみ上げてきた。

ロンドンは明日から連休前ということで、出張のアレンジの仕事が舞い込んできた。
休みに入る前に出張手配をしたいアナリストたちからの急な依頼である。
もちろん、出張手配は高プライオリティーの仕事である。
特に出発日が近ければフライトの席が少なかったり、
ホテルの空室がなかったりするので急いで手配をしなくてはならない。

そこで今日は8時過ぎに出勤し、出張手配をしっかり進めていた。
とあるアナリストはイギリス国内のカンファレンスに出張するのだが、
希望するホテルが満室で大変な状況である。
こういう場合、秘書としてはカンファレンスの主催者が押さえている
グループ予約のホテルを当たるとともに、
キャンセル条件が緩い会社と契約済みのホテルをバックアップとして
押さえる判断を下し、同時に他の出張手続きを行っていくのであるが、
本日は別のアナリストのマルチポイントの出張手配も
行わなくてはならない状況である。

しかも、10時から11時半まで外せない会議が入ってしまった。
ランチ抜きでフラフラになりながら、何とかうまく手配を進めてきた。

あー、血糖値が下がってる、何か食べなくては…と思いつつ、
経理システムの使い方を見せてくれるという「スピードだけ一人前の同僚」に
「ごめんね、もうすぐ予約が完了するからそうしたら教えてくれる?」
と話しかけた途端、
「誰だって忙しいのよ、何で時間を決めて予定表まで送ってると思ってるのよ!」
と突っかかってくる。
そこでムカっとしたが落ち着いて
「でもね、今朝からとても複雑な出張アレンジもあって、
会議も入ってしまってまだご飯も食べてないの」と静かに話したところ
「そんなのそっちの都合よ。私だって忙しいのよ。
忙しいなら状況を先持って説明すべきだわ。
もう2時半よ。時間ないわよ。」と突っかかってくる。

ちょっと待てよ。この経理システムの説明をしてやるからといって
昨日の午後ドタキャンしたの誰や?
その前もあんたの都合でドタキャンしまくっとるやろ?
あんた、忙しい忙しいって今日の昼休みに1時間みっちりジム行っとったやろ?

ガキやガキ。相手はコドモ。
こっちは余裕のある態度を持って接しなくては。

「そうね、あなたも忙しいのでしょうから、分かったわ。
私、そのシステムは別の職場でも使っていたし基本的なやり方は分かるから
来週にでも他の人に教えてもらうわね。」
と言った途端、面白くなさそうな顔をする。

まだぐちゃぐちゃ言いながら、大きい声でスピード女が言い出した、
「あー忙し忙し。何でこんなに仕事があるんやろ。」

いや、あんたがミスをしまくらんかったら、こっちもあっちも忙しくなかったかも…。