東京都世田谷にて

カサンドラの自助会を毎月開催している

看護職ボランティア団体

@ and me nursing 代表の看護師です

 

次回の自助会は6/30です

世田谷区三軒茶屋(渋谷から2駅)


このブログには

妻の立場であるカサンドラさんが多く登場しますが、実際の自助会では男性のご参加もあり、他でカサンドラのボランティアをやっていた時よりも、男性カサンドラさんが多い印象です 


もちろん、性別問わずご参加いただけます

 

予約サイトは以下からどうぞ

 

 

 

ちょっと別の記事も書きましたが

【だけ育児】シリーズです

 

これを一番はじめに書くべきだったのかもしれません

ネットや本でよく書かれていますよね

でも、実際のカサンドラさんからはそれほど多くはないです

 

育児は、最悪ワンオペでもできるから。

 

この「見てるだけ育児」を繰り返し

【まかせられない】と悟り、ワンオペになる

ワンオペはツライから、そのうち破綻していきます

 

実際の自助会では

カサンドラさんからの訴えで子育て関連の話題よりも

夫婦、カップル関係のものが多いです

いろんな状況の方がいるんだけど共通なところがたくさんあって

涙あり、笑いあり、深刻になる時も、考えさせられる時もあり

参加される方によって色々。小さな自助会です

 

 

カサンドラさんからの「見てるだけ育児」の訴え

実際にあったお話です。

許可を得て掲載しています

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うちは、子どもが複数います。

当然、私(カサンドラ)一人で育児するのは大変です

 

 

ある日の休日

子どもがまだ一人の時

ヨチヨチ歩き。目が離せない

 

 

子どもがお腹を私は料理を作っていて

「ちょっと子どもを見ていてほしい」とお願いしました

夫は携帯ゲームをしているみたい

「ああ、いいよ」とめんどくさそうに言います

 

 

いろんなところにヨチヨチ歩きます。

あー危ないなあ、なんて思っていたらすべってゴチン

すべって転んでしまいました。大泣き

 

こうなったら夫はまったく手がでません

結局カサンドラさんが抱っこ。

ますます食事が遅くなります

 

 

カサンドラ「見ていて」って言ったよね

夫「見ていたよ」

カサンドラ「転びそうになったら助けてあげてよ」

夫「転びそうになるなあと思いながらみていたよ」

 

 

悪びれる様子もなく

見ていたのに文句を言われたと逆ギレしています

 

 

公園に家族で遊びに行った時もそうです

上の子をトイレに連れていきます

下の子の面倒を夫に頼みます

カサンドラ「トイレに連れていくから下の子を見ててね」

夫「ああ、わかった」

携帯から目を離さずに返事をします

 

 

上の子とトイレから戻ると

下の子の洋服が泥だらけ

カサンドラ「何があったの?」

夫「こいつ(下の子)土を食ってた」

夫「馬鹿だよな」

 

確かに口の周り、洋服すべて泥だらけ

カサンドラ「なんで止めてくれなかったの?」

夫「見ていたよ」

 

 

その後も、

夫が「見ている」時に

子どもが木の枝で遊んでいてケガをしたり

危ない場所に入り込んでしまったり

迷子になったり

 

 

家族で遊びに行くと、

自分ひとりで遊びに連れていく以上に疲れます

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あるカサンドラさんの話でした

 

 

このお話のポイントは

発達障害特性を持つ方は「見ている」という言葉の意味が伝わらない

というだけではないように思います

 

 

親として

「子どもをみる」という行動自体が全くわかっていません

「子どもの行動」を予想することができない

「子どもに何が危険か」を察知することができない

他にも、普通に親がやっている「何か」がわかっていないように思います。

 

 

この子どもがお二人いるカサンドラさん

上のお子さんが3歳くらいだとすると

これまで少なくとも1000日以上は子どもさんと接しているはず

 

 

夫は母親ほど接していないかもしれないけれど

子どもがいない人に比べると親としてかなりの時間

子どもと接しているはずです

 

 

最初の頃は「子どもをみていて」と言われて

見ていて危険が及ぶような経験が一度でもあったら

その後は「注意」するはず

 

 

「注意しなかった経験」によって

どんなことが起きたのか

どうやったら回避できたのか

子どもの予測しがたい行動を親はどうしたらいいのか

それらを学ぶのではないかと思います

 

 

親だって完璧じゃないから

そういう小さな失敗の経験や毎日の行動を見る経験を繰り返して

子どもの様子や世話を学んでいきます

 

 

 

このカサンドラさんのケースから見ると

言葉の理解がないことも、問題だと思いますが

「経験による蓄積(経験値、経験知)がない」ようです

 

 

これは、非常に問題です

 

 

 

 

よく発達障害系の本には「見ていて」という言葉を

ストレートに理解しすぎた結果、このようになると

記載されていますが、

 

 

問題の本質はそこではないように思います

 

 

実はこのカサンドラさんの夫

非常に仕事では有能で

誰もが知っているいい大学を卒業されている

歴史の年号やテキストの記憶力は抜群です

 

 

だから、仕事で忙しくて子育てを経験しなくても

書籍などで学習することも可能なはず

 

 

カサンドラさんの夫は、

本やネットの情報を見ることはできても、記憶はしていても

現実には同じ失敗を繰り返します

 

 

書籍上のものと現実を合わせて理解することもできない

興味がないからなのか・・・・??

注意欠陥からなのか・・・??

現実味が書籍からは伝わらないのか・・・?

そのあたりのことは、まだ明らかになっていないのかな。

 

 

 

 

私たちの活動では

カサンドラさんのツライ状況を打破できることが一番の目的です

 

そして

発達障害特性をもつパートナー(家族)とカサンドラさんの関係性の改善、また関係性が悪化して離別ということを選択したとしても、双方がウェルネスを維持できるように支援できたらと考えています

 

 

 

これからも自助会の開催を通じて

皆さまの健康の維持・改善に寄与していきたいと思っています。

 

 

1人で苦しんでいる方がいたら

ぜひ自助会をご活用ください

 

このブログを書いている代表は

毎回自助会に参加しています