東京世田谷区で

カサンドラ&発達障害当事者の

支援をしています


私たちは、看護のチカラで

人々を元気にしたいと2022年に立ち上げた

@ and me ~nursing という団体の

カサンドラ部門です



私は現役ナースです

もう資格をとって30年以上になります


今は衛生上、病室にお花を置くことは

できない病院が多いですが



私が看護学生&看護師になりたての頃は

特別室に入院するような

vipな患者さんのお部屋には

お花であふれていました


面会が少ない患者さんの担当になると

お花の水をかえるのも

看護師の仕事としてやっていました


私が看護学生だった時

ある末期の男性患者さんの

好きなお花だった

【リンドウ】の花


私は【花の名前】を聞かれた時に

真っ先に頭に思い浮かぶ花です



リンドウは、濃い紫色が印象的な花

つぼみのような形の花が太い茎に

下から上にぐるりと囲むように

びっしりと沢山ついているあのお花です

すごく高貴な色味てす


その患者さん、とても地位の高いかたで

広い個室に入院していました

すこく無口な方でした

お部屋に行っても話しかけても

ほとんどお話をしてくれなくて



でも、怖いといった感じはなく

穏やかな印象の方でした


質問すると短いワードで

答えてくれてました


眼差しは、とても優しく

でも寂しげな印象でした


奥さんと話をする時もあまり多くを語らない

もの静かな方てした


その当時は

看護の先生や先輩ナースから

患者さんとコミュニケーションとって!と

お話をするよう度々指示を受けるので


【どうしよう】【何話そう】と悩みながら

重い足取りでお部屋に行って

汗びっしょりかきながらお話していました



質問しても単語しかかえってこない

無言でお部屋に居続けるのも変な感じ



色々考え


その患者さん、もう何ヵ月も

ずっと入院していて

この先、退院の見込みが少なかった

お花が好きな方なら

きっと自然が好きに違いないと


私の遠く離れた実家の

山や海のきれいで素朴な風景や

田舎あるあるなど

話すことにしました



患者さんは私が話をしている間、

私の方を見るわけではなく

窓際に置いてあるリンドウ越しに

外を眺めていました


軽くうなづいたり

【ほぅ】と興味を示す相づちをしてくれたり

時には質問をしてくれたりして

言葉のやり取りができるようになりました



でも、そこまでたどりつくのに

かなりの時間を要していました



やっとお話ができるようなったと

喜んだのもつかの間

私の実習期間は終了し

別の病棟に移動することになりました


実習のお礼を言いにお部屋に伺うと

何も言うことなくうなづくだけてした


その後


別の実習場所に移動し

そこでもまた別の患者さんを受け持って

バタバタ忙しくしてて

その患者さんのことが頭からちょっと離れた時




私あてに一通の手紙が届きました



リンドウの花の患者さんの奥さんからでした



患者さんは旅立たれたということが

書いてありました


それに加え 書いてあったのは


私がいろんな話を一生懸命考えて

病室に来ていたのを毎日みていて


最初は面倒だと思っていたけど

しだいに


私の頑張って話をする様子をみて

元気をもらっていたということ


【あのこはもう実習にこないのかな】と

話してくれていたことや


感謝の言葉など



その手紙に書かれていました


お手紙を読んで

リンドウの花が頭の中に浮かびました


そして


すごく寂しくて


でも感謝されて嬉しくて


会いに行けばよかったと後悔


ものすごく複雑な思い、でした



お花って


いろんな人の気持ちや

思い出がはいっている

気がします



最後まで読んでいただき

ありがとうございました


私の30年以上前の初めて語るお話でした




一番好きな花

 

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する