旦那は、
ズングリ太っていて
モソモソした話し方で
裸の大将のようなイメージです。
(山下清さん、ごめんなさい)
しかし旦那は
自分のイメージは裸の大将だとは決して認めません。
認めたくないのです。
旦那は自分なりに、自分のセルフイメージを持っていますが
そのセルフメージは、
現実とかけ離れ過ぎて実現不可能な状態です。
旦那がなりたいイメージとは
寡黙でオシャレでサブカルチャーに詳しく
特に音楽シーンには敏感で、
クラッシックからJ-POPまで幅広く様々な音楽を聴いて自分なりの音楽論も語る、
センスの塊みたいな芸術系男子。
しかし実際の旦那は、
無駄にペコペコした卑屈な態度
体重120Kgの身体
シワクチャジャケット
コミュニケーション難の
どこから見ても変わったオッサン。
もはや、努力で理想に近づけるレベルではありません。
旦那は更に、自分を「オシャレな紅茶男子」だと思っています。
仕事を通じてダンディな紅茶の先生と出会い、すっかり憧れてしまったのです。
紅茶の仕事が終わったのに、旦那は足しげく先生の元へ通い
時折、山ほど紅茶を買って来ます。
「なんでこんなに飲みきれない程、買って来るの?」と聞くと
「もらったんだ」と言います。
出たよ。
旦那は、高価な物や大量の物を買い、その事を私に指摘されると
必ず「もらった」と言うのです。
なんで、紅茶で生計を立てている人が、無料で紅茶をくれるんだよ!
私に「飲みきれない量」と指摘されて、旦那はムキになって紅茶を飲みます。
しかし、いつの間にか紅茶を飲んでいた事を忘れて、紅茶ポット放置。
気付くと紅茶ポットにカビがモッサ〜と生えてます
もちろん、旦那は片付けません。
オシャレ芸術系男子はカビポットの掃除なんて出来ないのです。
仕方なく、私が涙目で片付けます。
ポットのカビが取れる→また旦那は紅茶を入れる→忘れてカビ…のエンドレス。
ところで、なんで旦那は、自分を紅茶男子だと勘違いし始めたのでしょうか。
それは10数年前に遡ります。
旦那は仕事の一環でスリランカに紅茶農園の視察旅行に行きました。
仕事の一環だから、旅費は一切かかりません。
現地の紅茶農園の人達からは、かなり手厚い接待を受けたらしく、
その思い出が忘れられない旦那は
「俺、紅茶男子になろう。いや、紅茶関連の仕事をしたから、俺はもう紅茶男子だ」と勘違いするに至ったのです。
あろう事か旦那は
「イギリスに紅茶の勉強をしに行きたい」
「紅茶関連の仕事をしたい」とか
寝ぼけたことまで言い出す始末。
「資金は?」と聞くと
「それは…(チラッ)うーん…(チラッ)…」と黙り込んだので、
恐らく私が旦那の夢を応援して、用立てしてくれるのを期待していたのでしょう。
旦那は、海外で紅茶の勉強をして(誰のお金で?)
帰国して紅茶専門店を開いて(誰のお金で?)
紅茶の講師にでもなりたかったのでしょうか。
旦那は“こうありたい”イメージに自分を近づける為に
内面を磨く努力をするのではなく
金をかけて道具を揃えたり、
「海外で勉強したよ」という実績を作ろうとするのです。
本当に紅茶の勉強がしたかったら、日本でも出来ますから!
だいたいさあ、
紅茶の勉強の前に、
カビポットどうにかしろよ