旦那から電話が掛かって来ました。
「今、家の前に居るんですけど、ちょっと来て頂けますか?」
バカ丁寧な喋り方をするという事は、何か有ったに違いない。
すぐに家の前に出てみると、旦那が70代位のご夫婦と何やら話しています。
いや正しくは、喋っているのは70代奥様のみ。
鬼みたいな顔で一方的に喋っており、先方旦那様はただ突っ立っています。
奥様は私が来ても、話が止まりません。
「あの…失礼ですが、どちら様でしょうか?」
恐る恐る聞いてみると、我が家の向かいのアパートの大家さんとの事。
奥様は
「電信柱を勝手に移動させたのは失礼じゃないか。
一言 あるのが筋じゃないか!」と激昂しています。
電信柱?
誰でも知っての通り、電信柱は個人の所有ではなく国のインフラ事業です。
個人の都合で移動なんて、余程の事情がないと有り得ません。
その事を丁寧に話しましたが、ご婦人は納得しません。
「お宅が移動させたんだろう!」と全く信じてくれないのです。
そもそも、その電信柱が、国の都合で移動したのは10年以上も前の事です。
それを今頃になって、いきなり言って来るなんて、何か事情があるに違いない。
実はこれには、つい先日書いた不法投棄の事件が影響していたのです。
↓「不法投棄に怒り狂っています」
http://ameblo.jp/cassandra-1/entry-12170563095.html
↓「不法投棄からの妄想劇場」
http://ameblo.jp/cassandra-1/entry-12171199445.html
この不法投棄事件で、最初に旦那が「怪しい」と疑っていた向かいのアパート。
そこの大家さんが、このよく喋るババアご婦人です。
よくよく話を聞いてみると
「お宅が不法投棄で、行政に相談をした事を自治会長から聞いたわよ。
不法投棄のゴミの中にはオムツが入っていたんだって?
この辺りに赤ちゃんの居る家庭は、うちのアパートの住人しか居ないから
当然うちのアパートの住人を疑ってるわよね。
疑われてムカついた!
お宅だって、無断で電信柱を移動させたクセに!」
なんという電波な被害妄想。
そりゃ、旦那は最初、向かいの住人を疑ってたけど
それが、この大家さんに届くはずがありません。
ちょっと驚いたけど、
実は私、昔、クレーム応対多めのお仕事してたんです。
本音は
「なんや、このババア」と思っていても
表面的には優しく対応します。
「そうですか。それは気分が悪かったですよね。
ですが、お宅のアパートの方は、ゴミ出しのルールをキチンと守っている事は
重々承知しています。いつもキチンとなっている事は分かっているので、疑ってませんよ」。
ご婦人は
「だいたい、うちの敷地には犬のフンが落ちてたり、大変なんだから!」
今度は何の話やねん。
激高して文句を言いたい人は、関係ない話まで出して来るのも、よく有るパターンです。
「まあ、犬のフンがね。困りますね」
「そうよ! それをいちいち掃除しなきゃなんないのよ!」
「分かります。うちの前にもよく犬のフンが落ちています。本当に困りますよね」。
ついには
「だいたい、昔おたくが塀を立てた時だって、うちに何の説明も無かったわよ!」と
50年近く前の話まで持ち出して来ました。
あれこれ言ってはキーキー喚くご婦人の話に、ひとしきり同調して慰めると、ご婦人の表情が和らいで来ました。
そこで再度
「イヤな思いをされましたよね。
でもね、お宅のアパートの方はちゃんとルールを守っていらっしゃいますよ。
私は分かっていますからね。大丈夫ですよ。
電信柱の件は、本当に私どもの希望でこうなった訳ではないんですよ。
こればかりは信じて頂かないと」と言うと
ようやく「あ、そうなの?」と態度が軟化して来ました。
その時、それまで空気同然でボケーッと突っ立っていた旦那が口を開きました。
「あの、うちの母を呼んで説明させましょうか」
はぁ?
なぜ収まりつつある場を、蒸し返そうとする。
旦那の提案にご婦人は答えず、ご夫婦は引き上げて行きました。
当然ですが旦那からは「助かったよ」とか「ありがとう」などの言葉はありません。
嫁にピンチを救ってもらえたとは認めたくないのでしょう。
それにしても不法投棄、ムカつくわー。
そもそも不法投棄が元凶なのよ!!