以前ブログに書きましたが、旦那の母親は2人居ます。

産みの母と、育ての母です。

産みの母は、無責任で嘘つきな魔女のような風貌の人です。

育ての母は、魔女の姉で、しとやかで忍耐強い人です。頑固な一面も有ります。

私は、自分の子供でもない旦那を苦労しながら育てた義母を「すごい人だ」と思っています。

「母の日」のお祝いは、勿論、育ての母の為に開催します。

 しかも5/6は義母の誕生日、毎年義母の為に心を込めてお祝いします。

 

前日、旦那とは「朝10時半に家を出ようね」と約束をしていました。

旦那はグーグー寝てます。

息子が心配して「父ちゃんを起こそうか?」と私に聞きますが、旦那はギリギリに起こさないと二度寝して結局大幅に遅れてしまうので、10時過ぎまで待って恐る恐る声を掛けました。

「そろそろ起きない?どう?」。

すると旦那はノソリと布団から出て、私に言いました。

「こんなの、書いたら?」

旦那は私に、母の日専用のメッセージカードを差し出します。

「え?今?私が?書くの?」「うん」。

ちなみに義母へのプレゼントは全て私が用意しました。

旦那は全く何も用意していません。

その上、メッセージカードも書けと?今?こんな出発ギリギリに?

お前は書かへんのかーい。

しかし喧嘩したくない私は、大急ぎでメッセージカードの文言を考えました。

 

書いていると、旦那と息子が言い合いしている声が聞こえ、

旦那の「もういい!」と言う声が聞こえて来ました。

何事かと息子に聞いてみると、何と旦那は息子にもメッセージカードを書けと迫っていたのです。

息子は軽くパニック気味でした。

当たり前だよ。急な事に順応出来ないアスペ君なんだよ。

私は息子を抱きしめ「大丈夫大丈夫。カードは母ちゃんが書いたから」と慰めました。

旦那は息子に断られて一気に不機嫌です。 

こんな感じで出発前にイヤ~な雰囲気になりました。

 

更に旦那は「そうだ。手土産にお菓子を買っていこう」と言います。

義母も義父も年寄りで、身体の為に甘い物は控えています。

しかし旦那は「甘い物を手土産に持って行かねばならぬ」と、激しく思い込んでいるのです。

この“一度インプットされた呪文が、なかなかリセットされない”のはアスペルガーの特徴です。

相手が喜ぶか否かではなく、甘い物を持って行く事が目的になっているのです。

 

何もかもモヤモヤしますが、義母の前で雰囲気を悪くする訳にはいきません。

一生懸命に気を取り直します。

 

義母はもう87歳です。

87歳にしては元気な方ですが、やはり遠出は出来ません。

旦那の運転で義母の家へ行き、義母を車に乗せて近くの「くら寿司」へ行く事になりました。

義父は「身体が辛い」との事で、家で留守番する事になりました。

私は「くら寿司」には一度も行った事は有りませんでしたが、義母が「是非行ってみたい」と言うのです。

「うちの近くに“くら寿司”が出来たから、行ってみたかったのよ」とのこと。

ウキウキして、めっちゃ可愛い義母です。

 

始めて行った「くら寿司」は、独特のシステムでしたが、機械大好き息子が真っ先に順応し大活躍でした。

息子は義母が転ばないようにと義母の手を取って席まで案内し、義母の好きなネタを取ってあげたりします。

 

さて、お会計…なんと旦那は、義母に出させる気マンマンです。

慌てて私が「お母さん!ダメです!」と義母を乗り越えて、会計しました。

義母は「まあまあ、何もかも有り難うね」と嬉しそう。

 

何なの旦那!

母の日なのに誕生日なのに、なんで義母にお金を出させようとするの!?

 

顔はニコニコ、心の中はムカムカする私です。

結局、義父さんの為のお土産寿司も、全て私が出しました。

 

さて、帰宅すると旦那が「イオンに行ってくるわ」と出掛けました。

もう、この時点で分かっています。旦那は私の機嫌を取る為に、何か買って来ようとしているのです。バレバレです。本心を言うと、そんなお金があるなら、くら寿司の代金を払えよと思います。

でも私は気付かぬフリして夕飯の準備をしました。

さて夕飯の食卓につくと、旦那が「母の日」とシールの付いた赤ワインを「どぞ」と出しました。

「え~!?ありがとう!」と驚いた演技をする私。まるで茶番です。

更に旦那は息子に「アレを渡して!」と指示しています。

息子が、見覚えのあるカードを差し出してきました。

 

でじゃぶ? 

 

そうです。今朝、息子に「義母の為に書け」と迫って断られたカードを、私の為に再利用。しかも私に書かせたものと全く同じデザインのカードです。

「あー、ありがとう。なんかこのカード、見た事あるぅ。」

笑いで自分の気持ちを誤摩化す私。

 

こうして母の日は過ぎていきます。

我が家の母の日は、「母」が一番気を使う日です。