慢性腎臓病8 | カッサフォルテ犬猫コラム

慢性腎臓病8

腎臓が悪くなると尿タンパクが見られるようになることがあります。
本来ならばおしっこを作る過程でタンパクは再吸収されるので、
おしっこの中には出てきません。
腎臓が悪くなるとタンパクが吸収できなくなり、
おしっこの中にタンパクが出てしまうのです。
ですから、尿タンパクが出ていれば腎臓病を疑うきっかけになります。
しかし、膀胱炎があったりする場合にもタンパクが出るので、
尿タンパクが出たら腎臓病、だとは言えません。
また、尿タンパクはおしっこの濃さによっても数値が大きく変わってしまいます。
腎臓病で見られるような薄いおしっこをたくさんする状態では、
実際よりも尿タンパクが低く出てしまいます。
ですから、腎臓の機能を評価するためにはおしっこの濃縮度も考慮しなければなりません。
前に書いたようにおしっこの中にはクレアチニンという物質が排泄されます。
おしっこが薄ければおしっこの中のクレアチニンの数値も低くなります。
ですから、このクレアチニンと尿タンパクとの比を出すことでより正確に評価できます。
これをUPC(尿タンパククレアチニン比)といい、
腎臓の機能が落ちてくると、この数値が上がってきます。
特にワンちゃんの場合は今後の経過の見通しに大きく影響すると言われています。
ただ、上に書いたように膀胱炎があったり、
去勢していない男の子で精液が混じったりすると評価ができません。
これが難点ですね。