慢性腎臓病4 | カッサフォルテ犬猫コラム

慢性腎臓病4

前回は慢性腎臓病で現れる症状についてお話ししましたが、
腎臓は非常に頑張り屋な臓器で、
一般的な血液検査での腎機能の指標であるクレアチニンやBUNが上がってくるのは全体の4分の3、75%が壊れてからです。
つまり、腎臓の機能の25%が残っていればこれらの数値は正常範囲に収まっているということです。
ですから、腎臓移植で片方の腎臓を提供しても問題ないんですね。
逆にいうと、クレアチニンやBUNが上がっている時点で残っている機能は25%以下ということになります。

そして、腎臓は壊れてしまうと治せない臓器でもあります。
失われた機能を取り戻そうとするなら腎臓移植しかありません。
腎臓移植ができない場合は透析を行って、
腎臓の機能を別のもので肩代わりするしかありません。
人間の場合は人工透析をしますが、
人工透析ができる動物病院はほとんどないと思います。
腹膜透析という方法もあり、これは動物でも可能ではありますが、
急性の腎不全で一時的に腎機能が落ちている場合などに
腎機能が回復するまでの間に行うなどがほとんどで、
慢性腎臓病の維持として長期間行っていくのはなかなか難しいところがあります。

つまり、実際の慢性腎臓病の治療は腎臓の残った部分を大事に使っていき、
できるだけ機能を失わないようにするということなのです。
ということは、残っている機能が多ければ多いほど余命を長くできるということです。
ですから、早期診断が非常に重要になってきます。