私は4RTされたら、鹿島の『ごめん、……悪かった』で始まるBL小説を書きます!d(`・ω・)b shindanmaker.com/321047
より


注意:相手視点で鹿島を追い詰める系
    BL臭漂います
    あえて外見表現少なくしてます




「ごめん、……悪かった」
搾り出すように紡いだ謝罪の言葉は、ともすれば聞き逃してしまいそうなほど小さかった。
上げられない視線を合わせることを諦めて目を落とせば、
ぎゅっと握りこまれた拳がかすかに震えるのがわかった。


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昨日までと、一週間前までと、なんら変わらない今日だった。
昨日の夜は、借りてきたDVDを見てしまおうとつい夜更かしをして、
朝一からある古典の授業も昼休み後の数学もなんとか居眠りせずに乗り切って。
昼休みに話したとき、珍しく鹿島がバイトじゃないだとかいうものだから、
放課後カラオケでもどうだと眠かったのも忘れて盛り上がった。
人もまばらになった教室で、用事が終わったら迎えに来ると言った相手を待って
どうやらすぐには来なさそうだとイヤホンを片耳に突っ込んだところで
程なく眠ってしまったらしい。
そういえば眠かったんだった、とまどろむ視界の中で考えたような気がする。
枕にした腕はぴりぴり痺れたけれど、窓際の自分の席に届く太陽の光は
少し赤みがかって暖かく、転寝するにはちょうどいい。

目を閉じてすぐ、かもしれないし、だいぶ経ったのかもしれない。
なにしろ時計は見なかったし、音楽はランダム再生にしていた。
眠る前より少しだけ、空気が冷えていた。
ふ、と肌に何か触れた気がした。
「、」
微かな感触に浅い眠りから目覚め、カーテンでも触れたのかと緩慢に顔を上げる。
体を動かしたところでガタリ、と机だか椅子だかが音を立てる。
一瞬、何かにぶつけたかと浮つく頭で考えるが、犯人は目の前の男のようだ。
驚いたような顔で、俺を見ていた。
その顔が赤いのか、青いのか、夕日に照らされてよくわからない。
遅かったな、と声をかけるのも忘れ、まだ半分眠っているような頭で
どうしてそんな顔をしているのかと考える。
どうした?と聞こうとしたところで少しの違和感。
締め切った室内では、髪の毛すら揺れることはない。
「かし―…」
「ごめん!」
声を上げるのを合図にするかのように、弾かれるように身を翻す。
ガタガタと並べられた机にぶつかりながら、教室を出て行く相手の背中を慌てて追いかける。
「ちょっ、おい!」
声をかけても振り向かない。
いつもであれば、名前を呼べばすぐ振り向いて、応えて、憎まれ口だってきくというのに。
教室のドアを抜けたところで、階段のほうへ走っていく後姿が見えた。
日の落ちかけた廊下に細く入った光が、銀色の髪に反射してちらちらと光る。
「くそ、待てって…」
相手に聞こえる事を期待したわけでない。一人ごちて走り出す。
足の速さで負けることはないはずだ。
まさか寝起きから全力で走らされるとは思わなかったが、
それよりも逃げられたことへの苛立ちが強かった。

ばたばたばた、とけしてスマートではない足音が二組。
廊下を駆け抜け、階段を下りて、下りて、下りきったところでようやくその背に手が届いた。
「おい、逃げんな」
背中越しに、すぐ傍まで近づいている気配に気付いていたであろう相手の肩を掴む。
振り返らせようと引っ張ると、その体は勢いのまま壁へと軽くぶつかる。
もう相手も逃げる気が失せたのか、ようやく、足音が止まる。

はぁ、はぁ…と、荒い呼吸音だけが響いた。
しん、と冷えた影の中で、乱れた呼吸を整える。
追いかけたはいいものの、何を言うかなんて考えていなかった。
つい、俺は寝起きなんだぞと毒づきたくもなる。
沈黙が、重い。
反らされた顔からは、表情は読み取れない。
「ごめん、……悪かった」
ぽつり、と零れるように落ちた言葉は上擦って震えていた。
何が?とは言えなかった。
「鹿島、」
名前を呼べば、びくりと肩を震わせる。
謝られているのは自分のほうなのに、こうも怯えられては罪悪感が沸く。
「ごめん、気持ち悪いよな、もう近づかない、から」
気配を察してなのか、後ろは壁だというのに後ずさりながら早口で一気に捲し立てる。
まだ自分は何も言っていない、けれど言われることを恐れている。
さっき頬に触れたのは、カーテンではなく唇の感触ではなかったか。
髪を揺らしたのはあの、銀色の毛先ではなかっただろうか。
いや、そうなのだろう。
鹿島の吐き出す言葉からは、後悔が滲み出ているのがわかる。
しまいこんだ秘密に、もう触れないでくれと拒絶しているのがわかる。
それでも、俺が聞きたいのは謝罪なんかじゃない。
放課後の校舎。人気のない階段の下は、校庭で騒ぐ部活の声も遠く、
忘れ去られたように薄暗い。
「なんで、」
短く問えば、くっ、と息を呑む音が聞こえた。
相手が手を握りこむ音ですら聞こえそうなほどの静寂。
はあ、と溜め込まれた息が吐き出される。
「―…っ、なんだ…」
掠れた声。
「好きなんだ、ずっと……」
震える手で顔を覆うと、壁伝いにずるりとへたり込む。
最後は消え入りそうで、泣いてしまったかと思った。
予想は、していた。
けれどその言葉はやはり衝撃的で。
「ごめん―…」

何かを言わなければならない、そんな焦燥感はあった。
けれど、浮かんでは消える言葉に相応しい形が見つかることはなく、開きかけた口を結ぶ。
部活終了を告げる鐘の音が鳴るまで、俺は何も言えずに立ち尽くしていた。











おわれ/(^o^)\