認知症に元号はない。認知症より認知症を超えよう。 | ニューヨークと東京に暮らす変な経営者のひとりごと

ニューヨークと東京に暮らす変な経営者のひとりごと

(旧タイトル、NYと六本木ヒルズに住む経営者のひとりごと) 
ニューヨークと東京で会社を経営してます。 NYがベースで、年間10回以上、NYー東京間を往復しています。 アメリカ生活が30年以上になるので、日本にいると沢山の驚きがあります。そんな驚きを綴っています。

母を千本本陣に連れて行きました。

 

今日の母は91%メモリーが戻っていました。

 

認知症の母に対等に話をするにはこちらが認知症を超えるボケになる必要があります。

 

 

 

 

 

 

「今日は空襲警報が出てないから外に出て大丈夫や。昨日はB29が姫路に焼夷弾ばらまいて河川敷を走って逃げたぞ。防空頭巾は作ってくれたか。」

 

「布をな、拡げてな。片側だけ開けておくんや。もう片方を縫うてな。」

 

「まあ、せやけど、布やから、屁のつっぱりにもならんわな。爆撃やで。火がつきまんがな。」

 

「ところで、元号が変わったの知らんやろ。今は昭和やないねん。平成という時代があった。5月から令和と言う元号になった。 もう、伝書鳩を飛ばしていた時代は終わったんや。」

 

「ほんまか。伝書鳩なんておったか?」

 

「覚えてないんか。わしが子供のころは伝書鳩で通信してたやないか。」

 

「また適当なこと言うてる。」

 

「令和の時代になると、猿が空を飛んでるんや。猿も進化して羽が生えてきたんや。」

 

「ほんまか。見たことないで。」

 

母はお茶を飲もうとした。

 

「ほんまやねん。おー、お茶は鼻から飲む時代になったんやで。」

 

「アホか、そんなんしたら痛いやんか。」

 

「ちょっと熱いし痛いからやめとかのがええかもな。」

 

「ばあさん、珈琲好きやったな。珈琲あるで。それも鼻から飲んでもええで。」

 

「あんたええ加減にしときや。あんなの言うてることサッパリわからへんわ。」

 

ランチの途中、母は苛立つこともなく、

終始穏やかな表情を保ってくれた。

 

食べ方作法には問題はあるが、

出されたものは食せるのはありがたいです。

 

究極のアンチエイジングのあるものを飲み始めてから体調はよくなり数値は正常になり、見た目も若返ってきました。認知症以外身体の臓器のどこにも際立った異常はありません。急激に病で倒れることはないと望んでいます。

 

施設までの車の中で、

 

「ここで爺さんの葬式をしたんやで。」

 

「そうか。ほんまかいな。私は幸せもんや。こんなに何から何まで世話してもらって、ご飯も食べれるし、息子がしっかりとみてくれるしほんまにありがたいわ。」

 

「人はいつ死ぬか誰もわからんが、死んだら過去の人や。終わりや。婆さんの生きている時間は短い。爺さんは先にあの世に逝ってしまっけど少し先になったら、婆さんも爺さんに会えるで。」

 

「ほんまかいな。はよ、年寄りを殺してくれや。」

 

「なんでそんな年寄り殺して刑務所入らなあかんねん笑。まあ、ここにおったら安全や。爺さんの遺言で、[婆さんが死ぬまで面倒みないとなぁ、あんなになってもーた(認知症)から、心配でのう。]と言ってたが先に死によったな。まあその分、わしが面倒みるから心配するな。」

 

「ありがたい息子やな。」

 

「せやろ、足を向けて寝れないやろ笑。また明日来るで。どないや、明日はソーメンでも食うけ?

 

「そやな。お父さんもソーメン好きやったな。」

 

「ソーメン食うたら、爺さんの魂が戻って来よるで、ワッハッハワッハッハ。」

 

施設に到着し、介護担当の方に母を預けて、

神戸の墓地に車を走らせました。

 

残り少ない親との時間を可能な限り一緒に過ごすのがいいですね。 

 

いくらカスの親でも親から授かった命。

ご先祖様に感謝。

 

親には親の魂の修行があります。 

 

それぞれ、

生まれた時に神様にもらうカードが違います。

 

カードゲームのように、

人生はもらったカードで始まります。

 

最初から文句を言っている人は

一生文句を言う人生を送ります。

 

それぞれの人にそれぞれの魂の修行があります。

 

親は最大の魂の修行です。

 

やがて自分のメモリーも消えます。

 

メモリーがあるうちに会っておこう。